相続の争点は「不動産」が最多 解決後のしこりも鮮明に
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弁護士法人東京新宿法律事務所は、遺産分割で意見衝突を経験した45歳以上の相続人300名を対象に「意見衝突しやすい遺産」に関する調査を実施した。
不動産と現金が衝突の二大要因
調査の結果、意見が分かれた財産として最も多かったのは「不動産(自宅・土地・収益物件など)」の67.7%だった。次いで「預貯金・現金」が59.3%となり、この2項目が突出している。衝突の具体的な理由については、26.0%が「分割しにくさ」を挙げ、14.0%が「評価額」の認識のずれを回答した。不動産は現金のように1円単位で切り分けることが難しく、評価方法によって資産価値が変動するため、親族間での公平感を保ちにくい実態が浮き彫りとなっている。
弁護士法人東京新宿法律事務所公式プレスリリースより
円満解決はわずか24.3%
意見衝突後の対応としては、49.0%が「家族・親族間での話し合い」を行ったと答えたが、同時に40.3%が弁護士や司法書士、税理士といった「専門家への相談」を選択している。当事者間のみでの解決が困難なケースの多さがうかがえる。
注目すべきは解決の質だ。「全員が納得する形で円満に解決した」という回答は24.3%にとどまった。一方で、75.7%は何らかの課題を残しており、その内訳は「一部の人が納得できないまま解決」が29.0%、「親族・家族関係が悪化したまま解決」が17.3%に及んでいる。一度生じた感情的な対立は、遺産分割が終わった後も親族関係に深い溝を作ることが示唆された。
予防に有効なのは生前の準備
調査対象者が振り返って「行うべきだった対応」として上位に挙げたのは、以下の3点だった。
・被相続人が生前に遺言書を作成しておくべきだった(25.7%)
・早い段階から専門家に相談すべきだった(23.3%)
・生前に家族と相続についてしっかりと話しておくべきだった(23.0%)
調査をまとめた同事務所は、相続トラブルの予防には生前準備と早期相談が重要になる可能性があると示唆している。本調査を実施した弁護士法人東京新宿法律事務所は、東京都新宿区西新宿2-6-1の新宿住友ビル46階に拠点を置き、代表弁護士は中村得郎氏(第二東京弁護士会所属)。相続手続きや遺産分割協議、相続人間の交渉、遺言書作成、生前対策などを総合的にサポートしている。