東洋の伝統にもとづき人と組織の持つ可能性を開拓

いにしえの文化が残る鎌倉で、禅とマインドフルネスにもとづく組織開発と人材育成を行う宍戸幹央氏。内省と対話により自己理解と他者への配慮に満ちた人間を育てるとともに、東洋思想の本場としての日本の強みを生かし、世界に向けて発信を行っている。

物事を部分に還元せず
全体のまま捉える切り分け

宍戸 幹央

宍戸 幹央

鎌倉マインドフルネス・ラボ株式会社 代表取締役
1976年、愛媛県生まれ。麻布高校、東京大学工学部物理工学科卒業、同大学院新領域創成科学研究科物質系修了。日本IBM株式会社、アルー株式会社を経て、株式会社イノセンティブ取締役に就任。2012年、鎌倉に移住。2017年、鎌倉マインドフルネス・ラボ株式会社を立ち上げ、代表取締役に就任。現在に至る。一般社団法人ZEN2.0共同代表理事、一般社団法人21世紀学び研究所理事。著書に『マーケティングZEN』(田中森士との共著、日本経済新聞出版、2023年)。

──ご活動について教えてください。

鎌倉を拠点に、組織開発のコンサルタントと人材育成の研修講師として、イノベーションを起こして進化し続けられる組織と、その単位となる自律的な個を、禅とマインドフルネスを組み合わせた研修を通じて育てています。具体的には、鎌倉の禅寺や古民家、能舞台で瞑想体験を提供しています。企業に呼ばれて、会議室で行うことも珍しくありません。

個人が自発的、自律的に動けるようになるためには、自分が何をしていきたいのかを捉え、生きがいややりがい、信念や軸、パーパスを感じ取ることが重要です。自分の内側を見つめる内省の体験は、その上で非常に有効です。参加者からは、これまで自分の内側に目を向けたことなどまったくなくて、頭で考えて結論を出すのがよいことだと思っていたが、…

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