東京大学・松尾豊教授が語る、デジタル人材育成の課題と見通し

リテラシーを備えた人材から高度なデータサイエンティストまで、待ったなしの状態であるデジタル人材育成。データ駆動型社会を支える人材育成をめぐる課題と今後について、日本におけるAI研究の第一人者である東京大学の松尾豊教授に聞いた。

緒に就いたばかりの日本のDX、
鍵はトップの意識と理解

松尾 豊

松尾 豊

東京大学大学院 工学系研究科 教授
一般社団法人 日本ディープラーニング協会 理事長
1997年、東京大学工学部電子情報工学科卒業。2002年、同大学院博士課程を修了。博士(工学)。産業技術総合研究所研究員、スタンフォード大学客員研究員を経て、2007年より東京大学大学院工学系研究科准教授、2014年より特任准教授、2019年より教授を務める。専門分野は、人工知能、ウェブマイニング、深層学習。2017年より日本ディープラーニング協会理事長、2019年よりソフトバンクグループ社外取締役、2020年から2022年に人工知能学会理事と情報処理学会理事を歴任。2021年より、新しい資本主義実現会議の有識者構成員に選任されている。

── 松尾先生はAI(人工知能)の研究者として、ご自身の研究室で基礎から応用まで幅広い研究テーマに取り組む傍ら、ビジネス創出等を通じた社会実装にも取り組んでいらっしゃいます。現在の日本企業のDXの進捗をどのように見ていらっしゃいますか。

松尾 大企業も中小企業も、各社それぞれに取り組みを進めようとしています。「DXを進めなければいけない」という認識も非常に高まっていて、よい傾向だと感じますが、取り組みが具体的に進んでるかというと、苦戦している企業もまだまだ多いように思います。

(※全文:3617文字 画像:あり)

全文を読むには有料プランへのご登録が必要です。