「職業資格の取得」はキャリアアップにつながるのか
ビジネスパーソンが職業資格を取得する目的は「収入の増大」や「生活の安定」、「独立」への期待などが挙げられる。しかし職業資格の取得は、本当にキャリアアップにつながるのか。「ホワイトカラーのキャリア形成」や「職業資格」について研究する法政大学、佐藤厚教授に話を聞いた。
日本では職業資格の
取得効果は限定的
佐藤 厚
── 日本における職業資格の位置づけについて、どのように見ていますか。
職業資格の種類は多種多様ですが、ここでは「名称独占資格」(調理師、保育士、技術士、中小企業診断士など)を中心に、学位や訓練修了認定を含めて考えたいと思います。
現状では、日本における職業資格の評価は「低い」と言えます。日本では長年、職業教育訓練は企業内でのOJTが主流でした。職業資格を取得することは入口のミニマム要件であり、企業内における長い技能養成(昇進)プロセスの最初の一段階にすぎず、入社以降の仕事経験の中で「一人前になる」とされてきました。
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