ALT派遣 うまくいく学校の特徴は

株式会社QQ English(東京都新宿区、代表取締役:藤岡頼光)は2026年10月20日、同社がALT(外国語指導助手)を派遣している小・中・高等学校36校と、こども園・幼稚園13園の計49校・園を対象としたアンケートの結果を公表した。小・中・高等学校の83.3%が「担当教員・担当者との連携」に最も高い評価を付けている。一方、改善の要望は打ち合わせの時間や勤務以外の負担など、学校・園との運用に関するものが中心だった。


株式会社QQ Englishプレスリリースより。(画像はクリックすると拡大します)

文部科学省の令和5年度「英語教育実施状況調査」によると、2023年12月1日時点で全国の公立小・中・高等学校に参画するALT等は18,127人だった。ALT等には、外国語指導助手のほか、英語が堪能な地域人材(日本人を含む)なども含まれる。形態別では労働者派遣契約が6,190人(34.1%)で最も多い。全体の人数は前年度(2022年度)の19,251人から減ったが、労働者派遣契約は5,926人から増えている。こうした背景から、同社はALTを受け入れる側が派遣講師をどう評価しているかを調べるため、2026年9月に派遣先の教員を対象として調査を行った。

学校は連携、園は関わり方を評価

講師に関する6項目について、最上位の選択肢「すごく当てはまる」を選んだ割合をみると、小・中・高等学校では「勤務時間・就業規則を守っている」と「勤務態度・身だしなみが適切」がともに100.0%に達した。このほか「授業・活動への参加を引き出す工夫」が86.1%、「担当教員・担当者との連携」が83.3%となっている。こども園・幼稚園では「子ども・教職員とのコミュニケーション」が84.6%で、学校の72.2%を上回った。講師への総合満足度は「非常に満足」と「満足」を合わせて100%で、満足の理由(複数回答)では「講師の質」が91.8%と最も多い。

同社は、この「講師の質」を支えているのは雇用と育成の仕組みだと説明する。QQEnglishは3,500名のフィリピン人講師を全員正社員として雇用している。講師は教師としてデビューするまでに150時間以上の研修を積み、国際資格のTESOLを取得する。ALTとして派遣するのは、そのなかから選んだ経験5年以上の講師だ。正社員として長く働けるため、日本で指導している講師の離職率は過去4年間で2.04%にとどまるという。

改善の要望は講師個人ではなく、学校・園との運用に向けられていた。勤務以外の負担への配慮や休暇取得の考え方の共有、課外活動の実施方法の相談、現場との打ち合わせ時間の確保などである。評価の高い派遣先であっても、打ち合わせの時間は課題として残っている。

同社は派遣の現場から見えてきた傾向として、ALT活用の課題の多くはALTや教員個人の力ではなく、学校の仕組みの問題だと指摘する。ALTが発音の見本を読むだけになる、打ち合わせが授業直前の立ち話だけで終わる、ALTが職員室で孤立する、ALTが替わるたびに一からやり直しになる、といった場面がその例だ。

仕組み整えれば学校の力に

ALT活用がうまくいっている学校には、5つの共通点があるという。1つ目は、年度の初めに役割分担と学校のルールを言葉で共有していること。2つ目は、打ち合わせを5分でも毎週、決まった形で行っていることである。3つ目に、スモールトークやスピーキングの評価、異文化の紹介など、ALTの強みを授業に組み込んでいる。4つ目に、行事や校内放送、教員研修など、授業の外にも活躍の場がある。5つ目として、管理職が関わり、校内の体制とアイデア集を整えることで、ALTが替わっても取り組みが続くようにしている。打ち合わせについて同社は「短く」「定期的に」「型で」行うことを勧めており、5〜10分で終わる量に内容を絞る方法を示す。曜日と時間を決めて時間割のなかに確保し、毎回同じシートで確認する進め方だ。