【10月16日関芳弘文科大臣会見要旨】東大総長選考「説明責任果たすことが改革の第一歩」

関芳弘文部科学大臣は2026年10月16日の記者会見で、ハイパフォーマンススポーツセンターの視察と、18日に開幕する第5回アジアパラ競技大会(2026/愛知・名古屋)について報告した。質疑では、東京大学の次期総長選考をめぐって教職員有志が経緯の説明を求める要望書を提出したことについて、重要な問題提起を含むとの認識を示し、大学に説明責任を果たすよう求めた。

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このほか、20日に打ち上げ予定の火星衛星探査機「MMX」への期待や、議員会館で開いた政治資金パーティー、デジタルな形態を含む新たな教科書に掲載できる動画の上限についても質疑があった。

ハイパフォーマンススポーツセンターを視察

関大臣は会見の冒頭、2件を報告した。1件目は、10月15日に訪れたハイパフォーマンススポーツセンター(HPSC、東京都北区)の視察である。HPSCは国内トップアスリートの活動拠点で、関大臣は世界水準の機能を備えたトレーニング施設や、アスリートの動作データを取得・分析する現場を見て回った。

視察では、オリンピックとパラリンピックの選手の練習状況について、競技団体から説明を受けた。HPSCのスタッフからは、トップアスリートを支える最先端のスポーツ医・科学と情報面の支援について話を聞いている。

関大臣は、愛知県で開催された第20回アジア競技大会(2026/愛知・名古屋)での日本代表選手の活躍が、国民に大きな勇気と感動を与えたと振り返った。今回の視察を踏まえ、競技力向上に必要な予算の確保に引き続き努め、日本の国際競技力を一層高めていく考えだ。

アジアパラ競技大会の開会式に政府代表で出席

2件目は、10月18日に開幕する第5回アジアパラ競技大会(2026/愛知・名古屋)である。アジア最大のパラスポーツ大会で、日本での開催は今回が初めてとなる。関大臣は、開催に向けて準備を進めてきた大会組織委員会をはじめとする関係者に謝意を表した。

関大臣は本大会について、スポーツの振興に加え、共生社会の実現などに大きく寄与するものだとの認識を示した。18日の開会式には、関大臣が政府を代表して出席する予定だ。日本からも多くの選手が出場することから、日ごろの努力の成果を存分に発揮し、それぞれの目標に向かって挑戦してほしいと期待を寄せた。

火星衛星探査機MMX、20日に打ち上げへ

幹事社の記者は、10月20日に種子島宇宙センターから打ち上げられる火星衛星探査機「MMX」について、ミッションの意義と関大臣の期待を尋ねた。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の発表によると、MMXはH3ロケット10号機で打ち上げる予定である。探査機は火星の衛星フォボスに着陸し、表面の物質を採取して地球へ持ち帰る「サンプルリターン」に挑む。

関大臣はMMXについて、世界初となる火星圏からのサンプルリターンを目指す、日本主導の挑戦的な国際プロジェクトだと位置づけた。火星衛星の起源の解明や、将来の有人火星探査を見据えた技術の獲得につながることが期待されるという。

探査機には、NHKとJAXAが共同開発した8K・4Kカメラも搭載されている。関大臣は、火星などを写した超高精細な画像を通じて、国民の宇宙科学や探査への関心が一層深まることに期待を示した。文部科学省は、MMXを含む宇宙分野の研究開発と利用を推進し、日本の技術の向上や国際競争力の強化などにつなげる方針だ。

教職員有志の要望書「重要な問題提起」

記者は、東京大学の次期総長選考をめぐり、教職員有志が選考理由や経緯の詳しい説明を求める要望書を提出したことを取り上げた。東京大学総長選考・監察会議は9月28日、藤垣裕子教授(総合文化研究科)を次期総長予定者に決定している。同会議の議長は、学内の意向投票で最も多くの支持を得た候補者が選ばれなかったことに触れたうえで、責任をもって選んだと説明していた。

関大臣によると、要望書は10月13日、学内の教職員有志から監事と総長選考・監察会議に宛てて提出された。意向投票の結果の扱い、第2次総長候補者5人の比較検討の状況と5人を選んだ経緯、国際卓越研究大学構想やガバナンス改革に関する評価、非公開の情報や個別の事案など事実確認が必要な事柄の扱いについて、説明を求める内容だという。

関大臣は、要望書の指摘は重要な問題提起を含んでおり、法人として重く受け止めて対応する必要があるとの考えを示した。文部科学省はこれまでも、選考の判断理由を学内にしっかり説明する必要があると伝えてきた。東京大学には、自らの社会的責任を踏まえ、要望を含む学内の意見や、メディアを含む学外からの指摘に応える説明責任を果たすことが求められるとしている。関大臣は、説明責任を果たすことが東京大学のガバナンス改革の第一歩だと述べ、今後の対応を注視する姿勢を示した。

議員会館での政治資金パーティー、詳細は回答控える

別の記者は、関大臣が2024年に衆議院議員会館で開いた政治資金パーティーについて、招待を予定していた人数と実際の参加者数、会費の額を尋ねた。関大臣は10月13日の会見で、2020年12月と2024年6月に同会館で会合を開いていたことを明らかにし、謝罪している。

関大臣は、議員会館で政治資金パーティーを開催したことを改めて陳謝し、再発防止に努めると述べた。一方で、会合の具体的な内容は個別の政治活動に関することだとして回答を控え、法律にのっとって開催したとの認識を示した。

続いて記者は、10月17日から始まる靖国神社の秋の例大祭について、関大臣自身の参拝予定を尋ねた。関大臣は、参拝する予定はないと答えた。

教科書の動画に上限、他の教材の活用は妨げず

最後の質問は、デジタルな形態を含む新たな教科書に掲載できる動画の総量について、上限を設けた判断の根拠を問うものだった。教科用図書検定調査審議会は10月13日の総会(第2回)・総括部会(第3回)合同会議で、「教科書検定の改善について(第一次論点整理)(案)」を審議している。

関大臣は、同審議会で先日取りまとめられた論点整理において、児童生徒の主体的な学びを実現する授業づくりの妨げとならないようにする観点から、動画に上限を設けることが示されたと説明した。教科書1点当たりの上限は、現行の教科書の二次元コードの読み取り先に掲載されている動画の状況をもとに、教科書として認め得るものを仕分けたうえで、教科ごとの特性や標準授業時数などを総合的に勘案して議論されたという。

あわせて関大臣は、今回の上限はあくまで教科書に掲載する動画に関するものであり、教科書以外の動画などのコンテンツを授業で活用することを妨げるものではないと強調した。授業では、教科書と多様な教材を適切に組み合わせて活用してほしいと呼びかけている。

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