大学キャンパスを地域に開く共創拠点へ ロフトワークと文科省が支援プラットフォーム開設
株式会社ロフトワークは、文部科学省の委託事業として、国立大学法人等のキャンパスづくりを支援するオンラインプラットフォーム「CAM-PASS PLATFORM(キャンパス・プラットフォーム)」を立ち上げ、9月30日にWebサイトを公開した。国立大学法人等の施設担当者をはじめ、キャンパス計画や施設整備、研究推進、地域連携に関わる人々を対象とし、大学キャンパスを地域や社会に開かれた共創拠点・防災拠点として実装していくことを目指す。
プラットフォームの機能は3つの柱で構成される。1つ目は事例・知見の発信で、全国の国立大学等におけるキャンパスマスタープランの策定やリノベーション、地域連携、産学官連携、環境配慮、防災、PPP・PFIを活用した施設整備などの取り組みを取材し、外部メディアnoteの「事例・アイデア集」で具体的な事例やアイデアとして紹介する。2つ目は専門家への無料相談で、キャンパス計画や施設整備に精通した「CAM-PASSアドバイザー」が、老朽化施設の改修を起点としたキャンパス全体のマスタープランづくりや、民間資金を活用した整備手法、防災・環境への対応まで、大学施設を地域や社会に開かれた共創拠点にしていく際の課題に幅広く応じる。3つ目はネットワーク形成で、メールマガジンの配信やイベントの定期開催を通じて、大学・自治体・企業・専門家が継続的に交流できる場をつくる。これらにより、キャンパスづくりの知見を蓄積し、人や組織との共創につなげ、実践を社会へ還元する循環をつくることを掲げている。
運営は文部科学省の委託事業としてロフトワークが担う。プラットフォーム全体の監修役であるスーパーバイザーには、千葉大学名誉教授で同大学のキャンパス整備企画室長などを歴任した上野武氏が就いた。上野氏は国立大学のキャンパスマスタープラン策定に数多く携わってきたキャンパス計画の専門家で、無料相談に応じるCAM-PASSアドバイザーも兼ねる。10月26日には、キックオフとなる第1回イベント「大学をひらくと、キャンパスはどう変わる?」をロフトワーク渋谷オフィスとオンラインのハイブリッドで開催する。参加費は無料で、建築デザインスタジオ「ALTEMY」代表の津川恵理氏や上野氏、文部科学省文教施設企画・防災部の早田清宏室長が登壇し、大学を地域に開くことでキャンパスがどう変わるかを議論する。
大学のキャンパスは、研究・教育の場であると同時に、地域の防災や産学官連携の拠点としての役割も期待されている。個々の大学に蓄積されてきた施設整備や地域連携の知見を全国で共有し、相談や交流の窓口を一本化することで、自治体や企業も含めた新たな連携が生まれやすくなる。公的な枠組みのもとでキャンパスづくりの実践知を循環させる試みとして、今後の広がりが注目される。