文科省、ギフテッド支援方法開発事業の2024年度採択団体による成果報告書を公表

文部科学省は6月4日、いわゆる「ギフテッド」の支援方法の開発を後押しする「特定分野に特異な才能のある児童生徒への支援の推進事業」について、2024年度採択団体による成果報告書を公表した。

突出した才能や認知・発達の特性ゆえに、学習や学校生活に困難を抱えることがあるギフテッドは、専用の指導や支援を必要としている。しかし、その方法はまだ確立されていないのが現状だ。

その確立を目的に、2023年度に始まったのが同事業。2024年度は、都道府県もしくは市町村の教育委員会、あるいは法人格を有する団体による、以下の4つの試みに対して資金が提供された。

①特異な才能のある児童生徒(以下、ギフテッド)に関する研修パッケージの作成
②ギフテッドの特性を把握するツールや支援に資するプログラム等のデータ収集・整理
③ギフテッドに対する指導・支援に関する実証研究
④ギフテッドの指導・支援を行う教職員・保護者を対象とする相談支援に関する実証研究

分野別の採択団体と、その取組み概要は以下の通り。

①国立大学法人愛媛大学…教員向けに4つの研修パッケージ動画(いずれも25分程度)を作成

②株式会社ユーミックス…ギフテッドの才能伸長や、困難への支援を趣旨とするプログラムを抽出


・鎌倉市教育委員会…児童生徒が自らの個性・特性を知るための「アセスメント」と、自分らしい学び方を試すことができる「探究プログラム」の実施・研究
・京都市教育委員会…独自に開発したアセスメントツール「クラスマネジメントシート」を用いた学級風土の研究
・学校法人星槎…学校外機関のあり方や学習状況の把握法、学習評価法の研究
・国立大学法人筑波大学…学校内外の「学びの場」充実に向けた研究
・国立大学法人東京学芸大学…附属小学校との連携にもとづく、柔軟なカリキュラム・マネジメントの研究
・長野県教育委員会…個々の特性を把握するアセスメント方法や、特性に応じた教育方法の研究
・名古屋市教育委員会…イエナプランやアドベンチャープログラムを参考とした学級づくりの改善・充実
・八王子市教育委員会…ギフテッドを対象にその才能伸長を支援する講座を開催
・国立大学法人三重大学…通常カリキュラムよりも深く幅広い内容の学習を、総合的な学習の時間において展開

④特定非営利活動法人日本教育再興連盟…精神科医や特別支援教育の専門家も交え、教職員および保護者向け相談支援を実施

各団体の成果報告書は以下から閲覧できる。
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/169/mext_00012.html

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