「ナスコンバレー」で未来を創る 教育プロジェクトも加速

社会課題を解決し、思い描いた未来を生み出そうと2021年10月、一般社団法人ナスコンバレー協議会が設立された。共創・実証実験・社会実装の場として、リビングラボ「ナスコンバレー」を運営する。代表理事の井上高志氏に、その狙い、これまでの取り組み、今後のビジョンを聞いた。

周回遅れの日本を変えるため
多様な人材が集うリビングラボ

井上 高志

井上 高志

株式会社LIFULL 代表取締役会長
一般社団法人ナスコンバレー協議会 代表理事
1997年ネクスト(現LIFULL)を設立。不動産・住宅情報サービス「HOME'S(現:LIFULL HOME'S)」を日本最大級のサイトに育て上げる。コーポレートメッセージは、「あらゆるLIFEを、FULLに。」で、不動産領域だけでなく、地方創生、介護など、社会課題を解決するさまざまな領域の事業をLIFULLグループとして展開。また、ナスコンバレー協議会代表理事、PEACEDAY代表理事、新経済連盟理事、Well-being for Planet Earth評議員なども務める。

──ナスコンバレーを設立した背景や狙いをお聞かせください。

そもそもの背景には、世界から3周も4周も遅れている日本の現状が悔しいという個人的な思いがあります。

例えば、Googleは島を丸ごと1つ買い上げ、新しい技術的な実験をする「Google Island」を手掛けました。非常に先進的な取り組みです。国家レベルでは、サウジアラビアがスマートシティ技術を導入した「ネオム(NEOM)」と呼ばれる都市を建設中です。潤沢なオイルマネーを注ぎ込み、同様のプロジェクトが複数進行していると聞いています。中国も北京郊外に莫大な国家予算を投じて「理想都市」を建設しました。現状ではまだ成功とは言い切れないようですが、意欲的な試みであることに間違いはありません。

翻って日本はどうでしょうか。何をするにも多くの規制が足かせになり、…

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