地域課題の発見・解決はみずから街を歩いてこそ可能に

市民による社会課題解決の試み、ソーシャルデザイン。そのためにはデータも重要だが、みずから街を歩くことで得られる発見はもっと重要だ。街歩きによる地域社会のリ・デザインを実践者が解説。

街歩きを通じた社会のリ・デザイン

小笠原 伸

小笠原 伸

白鴎大学経営学部教授、同大学ビジネス開発研究所所長
1971年北海道生まれ。早稲田大学政治経済学部経済学科卒業、早稲田大学大学院理工学研究科建設工学専攻修士課程修了。武蔵野美術大学助手、早稲田大学総合研究機構WABOT-HOUSE研究所客員講師等を経て、2014年より白鴎大学経営学部教授。2018年より同大学ビジネス開発研究所所長も兼任。専門は都市戦略研究、地域産業振興、ソーシャルデザイン等。国土形成計画や地域活性化・地方創生の現場に携わる。結城市まち・ひと・しごと創生推進会議議長、結城市総合計画審議会副会長、エフエム栃木放送番組審議会会長なども務める。

現代社会が内包する多くの困難や課題。それらの改善や解決に向け、さまざまな取り組みが起こっている。そのうち、市民らが中心となり多様な価値観をもって解決に向け動こうとするものは、近年「ソーシャルデザイン」と呼ばれることがある。

研究者や行政関係者であっても容易には解決できぬ問題も増えつつある中で、市民が参画することで、さらには行政機関内でも担当外や専門ではない職員らが集い、自由闊達な議論やワークショップ、フィールドワークを行うことで、よりよいベクトルを示すことができる。

筆者は学生時代から地図を手に街を歩き、都市の可能性を考え魅力を発見してゆくべく、…

(※全文:2715 文字 画像:あり)

全文を読むには有料プランへのご登録が必要です。