宇都宮大学 「複眼」の思考で共創し、産官学の研究成果を社会実装へ

光学、バイオ、ロボットなどの研究で大きな成果を生み、着実な社会実装につなげる宇都宮大学。各学年、教員1人あたりの学生数は約3人と、顔が見える距離できめ細やかな教育を行う。教育研究の強化や地域連携、今後のビジョンについて、2021年から同大を牽引する池田宰学長に聞いた。

幅広い複眼思考で他者と共創し
課題解決に資する社会実装を

池田 宰

池田 宰

宇都宮大学長
1956年石川県出身。工学博士(東京工業大学)。1981年東京大学工学部工業化学科卒業後、東京工業大学工学部助手、ドイツ・ザーランド大学博士研究員、広島大学工学部助教授などを経て、2002年宇都宮大学工学部教授に着任。2012年工学部長、2015年理事・副学長を務め、2021年より現職。専門は生物有機化学。

──教育に関して最も注力している点についてお聞かせください。

本学では、教育のあらゆる面で「複眼」の視点を大切にしています。多様で幅の広いものの見方のことです。現在、文部科学省が「博士人材活躍プラン」を発表するなど、高度専門人材の育成に注力する流れがあります。もちろん、専門分野を極めることは非常に重要です。ただし、専門性ばかりにこだわると若干視野が狭くなることもある。幅広な教養や下支えがあれば新たな発想が生まれ、より高い専門性を活かすことができます。特定の専門分野をもとに、さまざまな課題解決に応用できる力を備えてこそ、社会で活躍し、未来を切り開く人材になれるはずです。

さらに昨今では、…

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