文科省、熊本地震の避難所に空調ある教室の活用要請

文部科学省は2026年7月29日、令和8年熊本地震で避難所となっている学校施設について、空調の効いた普通教室を避難所として活用するよう検討を求める通知を出した。同じ日には、被災した学校施設の早期復旧に向けた手続きを整理する事務連絡もあわせて発出している。

「令和8年熊本地震」は2026年7月28日午後4時27分ごろ、熊本県熊本地方を震源として発生した。気象庁による地震の規模はマグニチュード7.1で、熊本県の宇城市と氷川町では最大震度7を観測した。地震の発生を受けて熊本県内では学校施設の一部が避難所として開放されており、文科省が29日午前10時時点でまとめた集計では、国立3校、公立9校の計12校の学校施設が避難所になっている。

普通教室の活用を通知

通知の背景にあるのは、被災地で気温の高い日が続くという気象予報だ。避難所として使われることの多い体育館や武道場には、空調設備が整っていない施設が少なくない。熱中症のリスクが高まることを踏まえ、文科省は各学校の設置者に対し、地域の実情や自治体の防災担当部局との連携を前提に、空調設備のある普通教室などを活用した受け入れを検討するよう呼びかけた。

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通知の文書番号は8文科施第351号で、大臣官房文教施設企画・防災部長の蝦名喜之氏、総合教育政策局長の塩見みづ枝氏、初等中等教育局長の望月禎氏、高等教育局長の合田哲雄氏の連名で発出されている。宛先は都道府県教育委員会や指定都市教育委員会の教育長、都道府県知事、国公立大学法人の長、大学を設置する地方公共団体の長、文部科学大臣所轄の学校法人理事長、構造改革特別区域法の認定を受けた地方公共団体の長、独立行政法人国立高等専門学校機構理事長に加え、厚生労働省の医政局長と社会・援護局長にまで及ぶ。都道府県教育委員会には、管内の市区町村教育委員会への周知もあわせて求めている。

事前着工で復旧を後押し

もう一件の事務連絡は、被災した学校施設の復旧を早めるための手続きを示したものである。公立学校施設の災害復旧で国庫補助を申請する場合、通常は国の現地調査を経てから工事に着手するが、今回は現地調査を待たずに着工できる「事前着工」が認められている。この取り扱いは「文部科学省所管公立学校施設災害復旧費調査要領」(昭和59年9月7日付け文教施第72号)に定められている。

事前着工を行う際の条件として、着工前に事前着工届を提出すること、届出には着工箇所の図面と写真を添えること、そして後日被害の状況を確認できるよう、被災した範囲や数量が分かる写真をメジャーなどを使って明瞭に残しておくことが挙げられている。可能であれば動画による記録もあわせて勧めている。ただし、事前着工届を提出したことがそのまま国庫負担の承認を意味するわけではない点には注意が必要になる。

事務連絡ではこのほか、余震に注意しながら児童生徒の安全確保のための応急措置を実施できることや、応急的な措置であっても後の復旧工事の一部とみなされれば国庫補助の対象になり得ることも示された。建物の安全確認が難しい設置者に向けては、一級建築士の資格を持つ文部科学省などの職員を派遣する「文教施設応急危険度判定士」の支援制度も案内している。

対応の時系列と問い合わせ先

地震発生から一連の対応を振り返ると、文科省は2026年7月28日午後4時27分に省内へ災害情報連絡室を設置し、同日夜には非常災害対策本部へと体制を引き上げていた。29日午前の本部会議を経て、避難所の環境改善と施設復旧という二つの通知・事務連絡を同じ日のうちに発出した。

普通教室の活用に関する問い合わせは大臣官房文教施設企画・防災部参事官(施設防災担当)付企画係(電話03-6734-2319、メールbousai@mext.go.jp)、早期復旧に関する問い合わせは同部参事官(施設防災担当)付災害復旧係(電話03-6734-3036)が受け付けている。