【9月25日古川俊治デジタル大臣会見要旨】電子の「ハンコ」、どの端末からでも Gビズポータルに9月30日から新機能
古川俊治デジタル大臣は2026年9月25日の記者会見で、事業者向けサイト「Gビズポータル」の電子ロッカーに、書類へ電子署名を付与する新機能を2026年9月30日に追加すると発表した。場所や端末を問わず、オンラインで電子署名を付与できるようになる。
署名できる環境の課題に対応
Gビズポータルは、事業者が行政手続や補助金申請を円滑に進められるよう案内する窓口として、2026年3月27日に公開された。
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これまで電子署名は、電子証明書を保存した特定の端末でしか行えず、利用できる環境が限られるという課題があった。今回の新機能では、2026年7月に始まった商業登記リモート署名の仕組みを、電子ロッカー上で利用できるようにする。保存されたさまざまなPDF書類に、場所や端末を問わずオンラインで電子署名を付与できる。古川大臣は、今後も利用者の声を踏まえ、使いやすさの向上に努めていく考えを示した。
若手研究者の育成は社会実装の視点から
質疑応答では、科学新聞の記者が、研究の現場に長く携わってきた古川大臣の経験を踏まえ、優秀な若手研究者を育てる方策を尋ねた。
古川大臣は、研究を始めた段階から、研究をどう社会実装に結びつけるかという発想が極めて重要だと答えた。自分の研究が社会の成長につながり、経済的価値を持って人々の役に立つ。こうした付加価値を生む道筋を最初から設計できる能力が必要だという。そのため、工学など理系の大学教育に経営管理、つまりMBAの教育を取り入れてはどうかと長年提案してきたと述べた。
古川大臣は、いわゆるポスドク問題にも触れた。博士号を取得し、一定程度自立して研究できるようになった人材が、なかなか社会に適応できないという批判を、企業から聞くことがよくあるという。古川大臣は、人材交流をなるべく早く進め、自分の研究を社会に適応させていけば、研究が次々に社会に実装されると説明した。研究が実装されれば研究者の生活が安定し、次の研究にもつながる。この循環を若いうちから形成することが非常に重要だと強調した。
具体策として挙げたのが、大学のクロスアポイントメント制度である。文部科学大臣と話をする必要があるとしたうえで、早い段階から活用を進め、研究者が複数の職場で幅広く活躍できるようにすることが、志ある若手研究者の成長につながるとの考えを示した。海外企業との協業も含めて進めていきたいという。
前大臣から引き継いだ課題
記者からは、前日の大臣の交代式で、松本尚前デジタル大臣からどのような引き継ぎがあったかを問う質問も出た。
古川大臣が課題の一つとして挙げたのは、自治体と協議したうえで給付を行う際に、デジタル庁が給付システムの面でどれだけ貢献し、自治体の給付にかかる負担を軽減できるかという点だ。自治体の中には、すべてを政府で担うのは難しいと考えるところもある。古川大臣は、デジタル庁としてどこまでできるかが今後の課題になると述べ、松本前大臣とは給付をめぐる状況について意見を交換したと説明した。