「ティール組織」で困難や変化を力に 一人ひとりが自分らしく働く

次世代型の新しい組織運営として注目を集めるティール組織。それは、一人ひとりが「自分たちの存在目的は何か」を問い続ける組織であり、常に探究を続ける組織でもある。『ティール組織』の解説者・嘉村賢州氏に、新しい組織概念のポイントと実践の方法について話を聞いた。

未来への予測や制御を手放し、その時々の変化に適応する

嘉村賢州

嘉村賢州

場づくりの専門集団 NPO 法人 場とつながりラボ home's vi 代表理事
東京工業大学 リーダーシップ教育院 特任准教授
集団から大規模組織にいたるまで、人が集うときに生まれる対立・しがらみを化学反応に変えるための知恵を研究・実践。実践現場は、まちづくりや教育などの非営利分野や、営利組織における組織開発やイノベーション支援など分野を問わず展開し、ファシリテーターとして年に100回以上のワークショップを行う。2015年に1年間、仕事を休み世界を旅する中で新しい組織論の概念「ティール組織」と出会い、今に至る。フレデリック・ラルー著『ティール組織』の解説者、共著に『「ティール組織」の源(ソース)へのいざない』。

──改めてティール組織とは、どういったものですか。

ティール組織を一言で説明すると、生命論的な組織です。

従来の機械論的な組織では、人間が全体の中の1つのパーツや機能として扱われ、それを効率よくマネジメントすることが重視されてきました。また、未来は予測できるという前提に立ち、計画を策定してリスクをコントロールすることが目指されてきました。

一方、生命論的な組織では、人間がいかにその人らしく存在できるかが重視されます。

組織のために個人を犠牲にするのではなく、一人ひとりの個性を大事にする。未来は予測できるという幻想を手放し、その時々の変化に適応していく。

ティール組織は、困難や変化を力に変えることができます…

(※全文:2391文字 画像:あり)

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