教育現場の生成AI、「試験導入」から「日常運用」へ 教員活用率が前年比1.5倍に拡大

アルサーガパートナーズ株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役会長兼CTO:小俣泰明、代表取締役CEO:渡邉純平)は2026年6月18日、全国の教育業界で働く教職員328名を対象に実施した「生成AI活用実態調査2026」の結果を公表した。

約6割の教員が活用、生徒にも広がる生成AI

調査によると、教員自身の生成AI活用率は57.9%に達した。前年(2025年7月実施、有効回答283名)の37.2%から約1.5倍に拡大しており、生成AIは一部の教員による試験的な活用の段階を過ぎ、学校現場全体への本格普及フェーズに入ったといえる。生徒の活用率も37.5%にのぼり、教職員・生徒の双方にとって身近なツールへと変化しつつある。

活用頻度を見ると、利用者の79.0%が「週1回以上」、51.6%が「週2〜3回以上」と回答した。用途では「メール・議事録・文書作成(63.0%)」と「授業準備(50.3%)」が上位を占め、事務作業や授業の骨格づくりといった裏方業務の効率化を中心に定着が進んでいる。利用環境としてはChatGPTなど一般の生成AIサービスが77.3%と大半を占めており、コストや整備に時間を要する校務専用システムよりも、まず手の届く汎用ツールで現場課題の解決に動き出している実態が浮かび上がる。

「負担が減った」教員が前年から倍増超、慎重派の約半数も実感

業務負担感の変化については、「負担が減った」と答えた教員が60.8%にのぼり、前年(2025年7月調査)の28.6%から大幅に改善した。

アルサーガパートナーズ株式会社公式プレスリリースより

今後のAI活用に対するスタンス別に見ても、推進派の約77%、中間派の約64%が負担軽減を実感している。注目すべきは、慎重派に分類される教員でも48.3%が「負担が減った」と回答している点で、「負担が増えた」とした慎重派は5.0%にとどまった。活用に対する姿勢の違いを超えて、生成AIが業務効率化の手応えをもたらしていることが数字に表れた形だ。

汎用ツールゆえの新たな負担と、組織的な壁

効果が広がる一方で、業務が減らない・むしろ増えた要因として「AIの使い方・指導法の自習(35.1%)」「回答のファクトチェック(32.4%)」「提出物が生成AIの丸写しでないかの確認(32.4%)」が挙げられた。校務専用ではない汎用ツールを使っているがゆえに、回答の正確性を確かめる作業や安全な使い方の模索に時間が割かれている。恩恵を感じながらも手放しでAIを推進しきれない一因はここにある。

組織レベルの課題も浮き彫りになった。導入・活用を阻む要因として「ルール・責任の不明確さ(50.9%)」と「教員間の意識・スキルの差(46.3%)」が上位に並び、現場での活用をさらに広げるには運用ルールの整備とリテラシーの底上げが急務であることが示された。

教育特化の生成AIで、次の課題に応える

アルサーガパートナーズは、こうした現場の実情を踏まえ、教育生成AI「AI+Me(アイミー)」を提供している。入力データが外部の生成AIサービスの学習に使用されない安全な体制のもと、教員の業務負担軽減と児童・生徒の自発的な思考力育成の両立を目的に開発されたサービスで、東京都千代田区立の全小中学校への導入が2025年秋より順次進められている。また、同区立九段中等教育学校が導入する校内生成AIツール「otomotto(オトモット)」の開発支援も手がけており、教育現場のDX推進を多角的に支えている。

同社は今後も、運用ルールの策定支援を含む包括的なDX支援を通じて、教職員が生徒と向き合う本来の教育活動に集中できる環境づくりを進めていく方針だ。