流動化する労働市場、転職によるキャリア形成の行方

政府による労働移動の円滑化に向けた施策が進んでいる中で、働く人たちの転職やキャリア形成は、どのように変わっていくのか。従業員の不満や意識が職業移動に与える影響について研究している千葉大学大学院・吉岡洋介准教授に、労働市場の動向と課題について話を聞いた。

個人の不満が解消される転職は
どの程度生じているのか

吉岡 洋介

吉岡 洋介

千葉大学大学院 人文科学研究院 准教授
博士(人間科学)。大阪大学人間科学研究科 特任助教、立教大学社会学部 助教、千葉大学文学部 助教を経て、2018年から現職。

── 吉岡先生は、人々の職業キャリアがどのように形成されるのかについて、調査研究を進められています。

私は、社会調査(個人を対象とした調査票調査)による労働市場の把握を専門にしています。一度だけの調査では、その時点で従業員が何らかの不満を持っていたとしても、それが実際にその後の転職に結び付いたのかを分析することはできません。私は、同一個人を複数回追跡するパネル調査のデータを用いて、従業員の不満や意識が職業移動に与える影響について研究しています。

(※全文:1989文字 画像:あり)

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