【6月9日松本洋平文科相会見】23区大学定員規制は「有識者会議の議論を重視」

松本洋平文部科学大臣は6月9日の閣議後記者会見で、日本が推薦していた「飛鳥・藤原の宮都」について、ユネスコ世界遺産委員会の諮問機関であるイコモス(国際記念物遺跡会議)が世界遺産一覧表への記載を適当とする評価を6月6日付で公表したことを明らかにした。

19件の構成資産すべてについて特段の留保なく登録の評価を受けたことについて、松本大臣は「ほぼ満点とも言える勧告をいただけた」と述べた。長年にわたる文化遺産保護の取り組みを基盤に、文化庁・関係自治体・関係省庁が緊密に連携してイコモスの審査に対応してきた成果との認識を示した上で、韓国・釜山で7月19日から29日にかけて開催される第48回世界遺産委員会での正式登録に向け、関係省庁とも連携して全力を尽くすと強調した。

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文化遺産の価値を次世代に伝えていく取り組みについて問われた松本大臣は、世界遺産への登録は文化遺産の保護継承を促進するだけでなく、国内外における認知向上や地域活性化にもつながるとの考えを示した。登録後は多くの訪問者が見込まれるとして、持続可能な保存と活用が図られるよう関係者と連携していく方針を説明した。

東京23区の大学定員規制(23区規制)については、「地域における大学の振興及び若者の雇用機会の創出による若者の修学及び就業の促進に関する法律」(いわゆる地方大学・産業創生法)の施行状況等を検討するための有識者会議が6月4日に内閣官房において開催されたことを受け、東京都の小池百合子知事が規制撤廃を求めるコメントを発表した件への受け止めを問われた。松本大臣は小池知事の発言を「承知している」としながらも、「文部科学省としてはまず有識者会議における議論を重視していきたい」と述べるにとどまり、規制の効果に関する独自の分析についても踏み込んだコメントを控えた。

辺野古をめぐる平和学習への影響については、沖縄県内の県立学校で基地を一望できる道の駅を訪れる平和学習の予定が管理職の判断で中止された事例があったとする報道に関し、受け止めを問われた。松本大臣は、今回の学校法人同志社が運営する同志社国際高等学校(京都府京田辺市)の事案について、日常的に政治的活動を行う抗議船に生徒を乗船させた「極めて異例の事案」への対応として見解を示したものだと改めて説明した。学習指導要領等に基づいて多様な見方や考え方を提示しながら平和に関する学習や主権者教育を継続することの重要性を強調しつつ、基地が所在する場所を含めた現場訪問を避ける必要はないとの考えを示した。文部科学省として教育基本法や関係通知の趣旨の周知に努めるとともに、平和に関する学習を積極的に推進していく姿勢を明確にした。

長崎では、一般財団法人長崎原爆被災者協議会や長崎県教職員組合など計13団体が6月8日に連名の抗議声明を出し、文部科学省が同志社国際高等学校の平和学習の一部を教育基本法違反と認定したことに対して「全国の平和教育の実践活動を萎縮させる危険がある」と批判した上で、違反認定の即時撤回を求めた。松本大臣は声明について「報道は承知しているが詳細を把握していない」としてコメントを差し控えながらも、今回の事案への対応は平和に関する学習を否定するものではないとの立場を重ねて示し、「誤解のないよう丁寧に説明を行っていく」と述べた。