ジョブ型雇用、国際化… 令和の日本型教育とGIGAスクール環境で育む人材

12回の連載もいよいよ最終回となる。本連載では、2021年度から小学校と中学校で本格スタートしたGIGAスクールでの学びや環境整備について述べてきた。今回は、これまでのまとめとして、GIGAスクールで育みたい人材像とそのアプローチについて述べる。

変化する社会環境、
求められる人材とは

中川 哲

中川 哲

国内ITソフトハウスを経て、1997年にマイクロソフト株式会社(現 日本マイクロソフト株式会社)へ入社。業務執行役員としてWindows等の主力製品の出荷を担当し、2011年より教育機関担当の業務執行役員 本部長等を務める。2017年に日本マイクロソフト株式会社を退社。株式会社EdLogを設立するとともに、文部科学省へ入省し、初等中等教育局 プログラミング教育戦略マネージャーとして活動し、2020年12月より初等中等教育局 視学委員として、GIGAスクール構想をはじめとする教育の情報化を担当。

最近、日本の大手企業も管理職に対してジョブ型雇用を取り入れる動きがある。しかしながら、多くの日本企業では、まだまだメンバーシップ型雇用が採用されている。そんな中、今年の7月から日立製作所がジョブ型雇用を本体の管理職以外(約3万人)にも展開するというニュースが1月初旬に大きく新聞紙面で報じられた。

メンバーシップ型雇用とは、職務内容や勤務地が決められていない状態で人材を採用(主に新卒採用)する。採用された人材を様々な職務(仕事)に配属・配置転換させながら人材を育成していくシステムである。これは、終身雇用を前提としており、日本型雇用ともいわれる。一方、ジョブ型雇用とは、職務内容や勤務地などを細かく決めて、その仕事に適した人材を採用するというものである。

筆者が以前に所属していた外資IT企業では、当然ながらジョブ型雇用で、すべての従業員が就く仕事(ポジション)には、…

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