デジタル教科書の推進 紙とデジタルの二項対立を超えて

GIGA スクール構想下で、デジタル教科書の導入が本格的に議論され始めた。教科書制度の変遷や、デジタルと紙の教科書それぞれの利点や課題を整理し、今後の導入に向けた青写真を描く。

中川 哲

中川 哲

株式会社 EdLog 代表取締役社長
文部科学省 初等中等教育局 視学委員(GIGA スクール戦略担当)
国内 IT ソフトハウスを経て、1997年にマイクロソフト株式会社(現 日本マイクロソフト株式会社)へ入社。業務執行役員として Windows 等の主力製品の出荷を担当し、2011年より教育機関担当の業務執行役員 本部長等を務める。2017年に日本マイクロソフト株式会社を退社。株式会社 EdLog を設立するとともに、文部科学省へ入省し、初等中等教育局 プログラミング教育戦略マネージャーとして活動し、2020年12月より初等中等教育局 視学委員として、GIGA スクール構想をはじめとする教育の情報化を担当。

文部科学省は、令和3年3月に「デジタル教科書の今後の在り方等に関する検討会議 中間まとめ」(以下、「中間まとめ」)を出した。また、令和3年度予算では、学習者用デジタル教科書普及促進事業(以下、「国の普及促進事業」)に22億円が計上されている。

ちなみに、前年度予算額は、0.2億円だった。今回の中間まとめや今年度予算から、文部科学省のデジタル教科書に対する力の入れ具合が伺える。

今年度からは、どこの学校に行っても学習者用情報端末(以下、端末)が配備されているため、デジタル教科書の利用が可能になった。そこで、今回の連載では、GIGA スクールにおけるデジタル教科書の現状と課題を整理する...

(※全文:2300文字 画像:あり)

全文を読むには有料プランへのご登録が必要です。