GIGAスクール定着にむけて、誰もが取り組めるファーストステップ

2021年はGIGAスクール元年と言われ、一人一台端末の導入は進んだが、ICTの利活用が定着したとはまだ言えない状況だ。地域や学校間での格差も生まれ始めている。そこでGIGAスクールの定着に向けて、誰もが取り組めるファーストステップを提案する

GIGAスクール定着の格差

中川 哲

中川 哲

株式会社EdLog 代表取締役社長
文部科学省 初等中等教育局 視学委員(GIGAスクール戦略担当)
国内ITソフトハウスを経て、1997年にマイクロソフト株式会社(現 日本マイクロソフト株式会社)へ入社。業務執行役員としてWindows等の主力製品の出荷を担当し、2011年より教育機関担当の業務執行役員 本部長等を務める。2017年に日本マイクロソフト株式会社を退社。株式会社EdLogを設立するとともに、文部科学省へ入省し、初等中等教育局 プログラミング教育戦略マネージャーとして活動し、2020年12月より初等中等教育局 視学委員として、GIGAスクール構想をはじめとする教育の情報化を担当。

2021年8月末に発表された文部科学省による調査結果では、小学校の96.1%、中学校の96.5%が「全学年」または「一部の学年」でGIGA端末の利活用を開始したと答えている。

多くの学校で今年の4月からGIGA端末が導入されたわけであるから、このデータは、まさにGIGA端末の利活用を”開始した”のだということを示している。別の言い方をすると、GIGA端末の利活用が定着したといっているわけではない。

これまでの初等中等教育におけるICT環境導入状況からすると、学校に新たに大量の情報端末が導入されたわけであるから、その定着に時間がかかるのは想像に難くない。実際に学校を視察し、また、学校現場の話を聞いていると、まだまだGIGA端末の学校での利活用に関しては試行錯誤が続いているし、地域や学校間での格差が広がりを見せ始めているとも感じられる。

しかし、2020年4月から実施された学習指導要領では、情報活用能力を、…

(※全文:2215文字 画像:あり)

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