京都大学発スタートアップを創出 全学をあげてアントレ教育を推進

京都大学発のスタートアップが増えている。同大では全学をあげてアントレプレナーシップ教育に注力すると同時に、京阪神地域間の連携を図る上でも中心的な役割を担う。同大産官学連携本部長を務める室田浩司氏に、事業化に向けた支援体制、これまでの成果および今後のビジョンを聞いた。

フィールドワークで課題を見つけ
スタートアップの動機づけを

室田 浩司

室田 浩司

京都大学産官学連携本部長
1961年、東京都に生まれる。学習院大学法学部卒業。2001年、仏ENPCにてMBA取得。メーカーと投資会社を経て、2013年に京都大学医学研究科特任教授(医学URA室長)、2016年に京都大学イノベーションキャピタル株式会社代表取締役社長を経て2020年から現職。京阪神スタートアップ アカデミア・コアリションプログラム代表者も務める。中小企業診断士、国際公認投資アナリスト(CIIA)。

──スタートアップの創出に向け、産官学連携本部としては、どのようなプログラム設計や環境整備に力を注いでいますか。

本学の産官学連携本部は、大学の知を産業界につなぎ、ともに新たな価値を創出することで、未来創造と社会課題の解決に取り組むことを使命としています。そのため、本質を追求した思想や深い考察に裏打ちされた基礎研究だけでなく、世界レベルを見据えたスタートアップの創出に向けて、さまざまな取り組みを行っています。

その一環として、多彩なアントレプレナーシップ教育に注力しています。本学の学生に向けたものとしては、学部横断的な全学共通科目を7科目用意し、履修すれば正式な単位として認められます。学外の方向けにも、本学が独自に展開するプログラムがあります。例えば、まさに今開催中のプログラムは、「サステイナブル・ガストロノミー~ミライの循環型社会を考える」と題して、食品ロスや環境問題など、食に関わる課題解決に貢献する人材を育てるプログラムです。地域に出かけて社会課題を感じてもらおうと、座学だけでなく、…

(※全文:3189文字 画像:あり)

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