ウスビ・サコ氏が語る 特色ある研究を展開し、大学のポテンシャルを高める 

日本で初めてアフリカ出身者として学長となった京都精華大学の前学長、ウスビ・サコ氏。現在は全学研究機構長として、大学の研究力向上に取り組む。「表現の総合大学」である京都精華大学の研究活動と今後の展望について、ウスビ・サコ氏に話を聞いた。

教学改革で数々の成果、
1期4年で学長を退任

ウスビ・サコ

ウスビ・サコ

京都精華大学 全学研究機構長
マリ共和国生まれ。 高校卒業と同時に国の奨学金を得て中国に留学。北京語言大学、南京東南大学を経て1991年に来日。1999年、京都大学大学院工学研究科建築学専攻博士課程修了。博士(工学)。専門は空間人類学。「京都の町家再生」「コミュニティ再生」など社会と建築の関係性を様々な角度から調査研究。京都精華大学人文学部教員、学部長を経て2018年4月から2022年3月まで、京都精華大学学長を務める。

──サコ先生は2018年4月に京都精華大学の学長に就任され、数々の改革を推進して成果をあげられましたが、1期4年を務めて2022年3月に退任されました。

本学は2018年に今後7年間の長期ビジョンである「VISION 2024 SEIKA」を定めました。私は学長時代に教学改革に力を入れ、学部を再編して「国際文化学部」と「メディア表現学部」の2つを設置し、学部横断で学ぶ「人間環境デザインプログラム」を導入するなど、VISIONに掲げる「表現の大学」「リベラルアーツの大学」「グローバルな大学」のコンセプトに沿った大学づくりを伸展させました。

私が学長に就任する前、本学は認知度不足や定員割れなどの課題を抱えていましたが、2018年度以降の改革により入学者数は増加し、…

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