熱海の活性化を牽引し、チャレンジする人を増やす
バブル崩壊後、観光客が激減した熱海が奇跡的な復活を遂げた。その立役者の一人である市来広一郎氏は、生まれ故郷の熱海にUターンし、空き店舗を再生してカフェやゲストハウスを運営しながら、一貫して人づくりに注力してきた。その原動力やこれまでの手応え、今後のビジョンを聞いた。
対話からブレない軸を見出し
起業家のエコシステムを形成
市来 広一郎
──街づくりに取り組む際、最も大事にしていることは何ですか。
大切なことは、いかに街のファンをつくり、そのファンをサポーターに、さらには街のプレイヤーになっていただくか。根本的に重要なのは人づくりだと考えています。熱海で生まれ育った私は1990年代、多感な10代の頃に、街がどんどん衰退していく様子を目の当たりにしました。大きな資本が撤退することで、ホテルや旅館、企業の保養所などが軒並み閉鎖され、一気に寂れていきました。そうした実体験もあり、継続的な街の発展には、地域に根付いた人が多様な事業を生み出すことが欠かせないと思うようになりました。
そこで2007年に熱海にUターンし、2010年に「100年後も豊かな暮らしができるまちをつくる」をミッションに掲げるNPO法人atamista(アタミスタ)を、その翌年には熱海の中心市街地再生に取り組む民間まちづくり会社machimoriを設立しました。「atamista」という団体名には…
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