農林環境専門職大学 地域を担う農林業経営のリーダー人材を育む

公立の専門職大学として2020年4月、静岡県立農林環境専門職大学・同短期大学部が開学した。農林業経営のプロであると同時に、農山村地域社会のリーダーとなる人材の育成を目指す。同大の教育活動と地域連携の展開、今後へのビジョンについて、鈴木滋彦学長に聞いた。

栽培技術のほか経営マインドと
地域社会を支える姿勢を重視

鈴木 滋彦

鈴木 滋彦

静岡県立農林環境専門職大学及び同短期大学部 学長
1953年静岡県袋井市生まれ。名古屋大学大学院農学研究科を修了後、静岡大学農学部林産学科に奉職し、木材の有効利用、特に木質材料、森林バイオマス、セルロースナノファイバーに関する研究に従事。2000年日本木材学会賞、2010年IAWS、Fellow。2011~2017年日本学術会議連携会員として林学分科会幹事を担当。2011年農学部長、2013年国際戦略担当副学長として農学教育の充実、国際交流の推進に尽力。農学博士。

──貴学では、どのような学びや人材育成を目指していますか。

本学が目指しているのは、何より時代のニーズに応えられる新しい農林業人材を輩出することです。静岡県にはスズキやヤマハ発動機などの一流メーカーが本社を構えていることもあり、ものづくりに強い工業県のイメージがあるかもしれません。でも、実は豊かな農業県でもあります。お茶をはじめ、ミカン、メロン、ワサビなど、出荷量や出荷額、作付面積などが軒並み全国1位の多彩な農産物が揃っています。富士山麓では林業や畜産業も盛んです。さらに、地理的には大消費地に近く、日本経済の動脈となるインフラも整っています。農林業をビジネスとして成立させる絶好のロケーションにあると言えます。

本学の前身母体である静岡県立農林大学校は、1900年以来120年にわたり、…

(※全文:3314 文字 画像:あり)

全文を読むには有料プランへのご登録が必要です。