【2026年6月2日松本尚デジタル相会見詳報㊤】マイナ免許証の利便性とフロンティアAI活用 スマホ提示は「不可」、一社依存しない方針明言
松本尚(まつもと ひさし)デジタル大臣(デジタル行財政改革・行政改革・国家公務員制度・サイバー安全保障担当)は2026年6月2日の定例会見で、マイナ免許証の現状と利便性、およびフロンティアAIのサイバー安全保障への活用方針について説明した。マイナ免許証については自ら切り替えた経験を交えながらメリットと注意点を紹介し、フロンティアAIについては複数のAI企業と連携しながら重要インフラへの段階的な拡大を進めるとの方針を示した。
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マイナ免許証の現状と3つの選択肢
2025年3月24日から、都道府県警察の免許センターおよび一部警察署で、希望者の申請によりマイナ免許証の発行が行われている。選択肢は「マイナ免許証のみ」「マイナ免許証と今までの運転免許証の2枚持ち」「従来の運転免許証のみ」の3種類で、本人の希望で選べる仕組みだ。松本大臣は「私も先日、免許更新だったのでマイナ免許証のみにしてきた」と自らの体験を明かしたうえで、導入を広く勧めたいとの姿勢を示した。
更新講習のオンライン化と住所変更の一元化
マイナポータルと連携することで、一般運転者・優良運転者については次の更新時から更新時講習をオンラインで受講できるようになる。また、住所変更の際はこれまでマイナンバーカードと免許証でそれぞれ別々に手続きが必要だったが、1回で全部できるようになる。松本大臣は「そういう意味ではお財布が少し薄くなる」と述べ、携帯するカードを1枚に集約できる点も利点として挙げた。
提示と海外利用には注意 スマホのみは不可
一方で注意点も示した。交通違反の取り締まりなど免許証の提示を求められた場面では、マイナンバーカードによるマイナ免許証か従来の免許証を提示する必要があり、携帯(スマートフォン)だけの提示では駄目だという。海外での運転については国によって対応が異なり、国際免許証だけでよい国もあれば日本の免許証の提示が必要な国もあるとし、マイナンバーカードを提示しても認められない場合があると説明した。松本大臣は「改善の余地があるが、相手の国のあることなので少し時間がかかる」との見通しを示した。
フロンティアAI「GPT-5.5-Cyber」をサイバー防衛に活用
NHK記者の質問に対し、松本大臣はOpenAIのフロンティアAIモデル「GPT-5.5-Cyber」が日本の大手メガバンクに提供されたことについて「民間も含めて我が国全体のサイバーレジリエンスの強化に非常に資するものだ」と前向きに評価した。片山さつき財務大臣が先週の会見で、日本の金融機関へのアクセス権付与を明らかにしていた。なお、AnthropicのAIモデル「クロード・ミュトス」はソフトウェアの脆弱性を自律的に発見する能力を持つとされており、今回のOpenAIモデルはこれに匹敵する性能と報じられている。松本大臣は「提供を受けたものをここに置いておいても役に立たない。使って我々が持っている脆弱性を確認して、いち早くパッチを当てていくことが非常に必要だ」と述べ、実際の活用を進める姿勢を示した。
データ安全性と活用拡大 一社依存しない方針を明言
データ抜き取りリスクへの懸念については「日本のいろいろなデータが不利になるようなことがあってはいけない。どこをどう使うかは当然慎重に行わなければいけない」と述べ、付与されたからといってそのまま全面的に使うわけではないとの認識を示した。活用範囲の拡大については「OpenAI社だけで何とかしようと思っているわけではなく、Googleもあれば、Microsoftもあれば、当然Anthropicもある。1社だけに頼らず重層的に対応していく」との方針を明言した。3メガバンク以外の通信・基幹インフラ企業や、その下の重要インフラ企業への拡大も必要だとしたうえで、優先順位の詳細については「日本に対して攻撃をしようとする人たちを利するだけなので控える」としながらも、「各社と密に連絡を取りながら進めている」と述べた。
本記事は2026年6月2日のデジタル庁定例会見要旨(デジタル庁公式HP掲載)をもとに先端教育オンライン編集部が作成しました。発言は一部要約しています。