端末は「子どものもの」の理念で 日常生活で慣れ親しむ環境整備へ

学習用端末導入の過程で、県と市町村で共同調達を実現した奈良県。大部分の自治体が調達に苦労する中、共同調達をどう実現したのか。そのメリットは何なのか。1人1台環境を教育現場に活かすためのポイントについて、奈良県教育委員会県立教育研究所主幹の小﨑誠二氏に聞いた。

共同調達を阻む、3つのハードルとは

小﨑 誠二

小﨑 誠二

奈良県教育委員会県立教育研究所
教育情報化推進部主幹
高等学校の国語科・情報科の教諭として20年、その後、奈良県教育委員会指導主事等として13年め。文部科学省の学校における ICT 環境整備の在り方に関する有識者会議委員、ICT 活用教育アドバイザー、教育データの利活用に関する有識者会議委員等を歴任。

奈良県では、県や市町村の教育長、行政、有識者などを集めた「奈良県域 GIGA スクール構想推進協議会」を設置し、予算や具体的な実現方法などの議論を重ねたのち、2020年7月に県内約40の自治体で共同調達を行った。

各学校には7月から端末が届き始め、2021年2月中には全県で納品が完了する予定だ。奈良県教育委員会主幹の小﨑誠二氏は共同調達のメリットを次のように話す。

「一番大きいのは、県全体で学びの連続性を担保できることです。クラウド活用を前提に、『県域で同一ドメイン』のアカウント運用をはじめたことで、転校や進学をした際、新しい学校に…

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