1人1台環境の活用に必要なコト 端末の日常活用と公式ID導入を

2020年度末に全国の小中学校で1人1台端末が納品予定だ。2021年度から始まる新たな学びのカタチに備えて、教育委員会や学校に問われる課題とは何か。教育の情報化に詳しい、国際大学グローバル・コミュニケーション・センターの豊福晋平准教授に聞いた。

個人の資質・能力と ICT との、一体化を前提とした学習環境へ

──2021年4月から多くの小中学校で、1人1台端末環境での学びがスタートします。学校の学びはどの様に変わるのでしょうか。

豊福 晋平

豊福 晋平

国際大学 グローバル・コミュニケーション・センター 准教授・主幹研究員
横浜国立大学大学院教育学研究科修了、東京工業大学大学院総合理工学研究科博士課程中退、1995年より国際大学 GLOCOM に勤務、専門は学校教育心理学・教育工学・学校経営。長年にわたり教育と情報化のテーマに取り組む。近著に『デジタル・シティズンシップ コンピュータ1人1台時代の善き使い手をめざす学び』(共著、大月書店)。

端末の導入による確実な変化は、子ども達の単位時間あたりの扱い情報量が爆発的に増えることです。つまり、情報効率の改善です。ただ、総情報量の増加がただちに教育効果に直結するわけではありません。あくまで、総情報量の増加を学びに上手く活かせば教育効果が得られるわけで、学びのベクトルにいかに合わせられるかは先生の役割が大きいです。

一方で学校教育のカリキュラムに目を向ければ、社会が複雑化するのに合わせて学校で扱うべき知識スキルはどんどん増加する傾向にあります。小学校では英語や道徳が教科となり、プログラミングも必修化されました。それ以外にも、金融教育が必要など色々な声も聞かれますが…

(※全文:4708文字 画像:あり)

全文を読むには有料プランへのご登録が必要です。