学習科学研究と知識構成型ジグソー法

本連載では、「学習科学(The Learning Sciences)」という最新の研究領域を核に、教育の二項対立的な議論を超え、私たちはどのように「人の学び」を捉えて、いかなる教育を実現していくことが求められているのか、事例を織り交ぜつつ考えていく。

学習科学におけるデザイン研究

益川 弘如

益川 弘如

聖心女子大学現代教養学部教育学科 教授
博士(認知科学)。専門は学習科学、認知科学、教育工学。一人ひとりなりに持っている「学ぶ力」を、対話を通して引き出す授業づくりや学習評価の在り方、ICT活用を追求している。また、学習観・授業観の変容に興味があり、子供たちや先生方が授業や研修を通して見直してゆけるような学習環境デザインに興味がある。

学習科学の研究領域では、1980年代半ばごろより、これまで明らかになってきた人の学びの原理を生かした授業実践と検証を進めることで、「人はいかに学ぶか」の原理を深めつつ、効果的な授業づくり、学習環境のあり方、テクノロジ活用についての提案を進めてきました。そこでは、1回きりの取り組みではなく、実践評価により得られた改善点を次の実践サイクルで反映させ、その繰り返しによって実践と理論双方を深めていくデザイン研究( Design-based Research)という手法を取り入れています。

(※全文:2373文字 画像:あり)

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