先生の授業観・学習観、研修観が変わり、子供たちが変わる
本連載では、「学習科学(The Learning Sciences)」という最新の研究領域を核に、教育の二項対立的な議論を超え、私たちはどのように「人の学び」を捉えて、いかなる教育を実現していくことが求められているのか、事例を織り交ぜつつ考えていく。
学ぶ力を引き出す学習環境
をデザインする教員養成
益川 弘如
これまでの連載では、教育の世界は二項対立的に「何をすべきなのか」という形で「振り子」のように触れ続ける歴史であることを紹介し、その振り子を止めるべく、「人はいかに学ぶのか」の知見に基づき、どのような学習環境(授業づくりや学習評価)をデザインし、進めていけば良さそうかについて紹介してきました。重要なのはこれまでの経験則から当たり前だと思いこんできた「教育とはこういうもの」「人はこういうときうまく学べる」というものを見直していくことです。
2022年12月に出された中教審答申※1では、子供たちの学び(授業観・学習観)とともに教師自身の学び(研修観)を転換することの重要性を示しました。しかし、いかなる授業観・学習観を目指すのか、また研修観を目指すと良さそうなのかについては曖昧であり、…
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