学び続ける教師を支える学習科学の挑戦
本連載では、「学習科学(The Learning Sciences)」という最新の研究領域を核に、教育の二項対立的な議論を超え、私たちはどのように「人の学び」を捉えて、いかなる教育を実現していくことが求められているのか、事例を織り交ぜつつ考えていく。
デザイン社会実装研究

益川 弘如
聖心女子大学 現代教養学部教育学科 教授
博士(認知科学)。専門は学習科学、認知科学、教育工学。一人ひとりなりに持っている「学ぶ力」を、対話を通して引き出す授業づくりや学習評価の在り方、ICT活用を追求している。また、学習観・授業観の変容に興味があり、子供たちや先生方が授業や研修を通して見直してゆけるような学習環境デザインに興味がある。
学習科学研究も2000年代に入ってくると、世界各地で行われている効果のある授業実践の環境や要素(「デザイン原則」と呼んでいます)を整理し、その条件を実現していく授業実践をより多くの先生にひろげていったり、教育政策に反映させたりしていくような、社会実装を実現していくための研究に発展しています。
例えば、前回紹介した「知識構成型ジグソー法」の取り組みでは、主体的・対話的で深い学びが実現しやすい環境の条件として、…
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