デジタルマーケティングを軸に地域活性化に携わっていく

2026年5月の開講で第10期目を迎える「地域プロジェクトマネージャー養成課程」。第7期修了生の藤田正伸氏はアドレスホッパーで地域を巡る中、地域の課題を痛感。「ブリッジ人材」の必要性に共感し本課程を受講した。藤田氏に本課程で得た学びや今後のキャリアなどを聞いた。

10都府県16都市を巡り
地域の課題を肌で感じる

藤田 正伸

藤田 正伸

Webマーケター
大学卒業後、ネット広告の代理店やSaaS会社で広告運用やサイト分析などのデジタルマーケティング業務に約10年ほど従事する。アドレスホッパーとして全国各地域を巡る中、デジタルマーケティングは軸としながらも、地方創生などに携わっていきたいと考えている。社会構想大学院大学「地域プロジェクトマネージャー養成課程」第7期修了生。

社会構想大学院大学の「地域プロジェクトマネージャー養成課程」(以下「本課程」)では、地域活性へ向けた産官学連携プロジェクトを計画・運営する際に、様々な利害関係者の「架け橋」となり、プロジェクト全体をマネジメントする「ブリッジ人材」を育成する。

本課程は、地方自治体の現役職員や経験者、地域活性化や産官学連携を実践する専門家が、通常学習する機会の少ない「行政視点」を多く取り入れながら、地方自治体の考え方、地域活性化や産官学連携の手法・事例などについて、リアルかつ現在進行形の知識・スキルを提供。また、地方自治体に政策提言を行う機会も設けている。

インターネットの広告運用やWeb広告コンサルタントなど、Webマーケターとして活動する藤田氏。2021~22年にかけて1年間、リモートワークをしながらアドレスホッパーとして淡路島や新潟県十日町、香川県さぬき市、岡山県倉敷市など、10都府県16都市を巡った。

「日本各地を巡って、地域の人手不足の現状を目の当たりにしました。加えて、外から人を呼び込むためのプロモーションなどがうまくいっていないことなど、マーケティングに関わる人間として、地域の課題感を肌で感じました」

そうした中、本課程を知り説明会に参加することに。そこで話されていた、「地域をつなぐ〈ブリッジ人材〉の必要性」に共感し、受講を決めたという。

関係人口の拡大など狙い
デジタル住民票の活用を提案

藤田氏は2024年11月~25年3月にわたり、7期生として本課程を受講。人口減少や産業衰退等、地域が抱える課題の分析手法や地域資源の発掘、関係人口の構築、プロジェクト推進に関する知識を学んだ。

「Webマーケターとして、インターネット工学や数字分析を専門としてきましたが、地方行政や地方自治体については知識がありませんでした。それらについて、一から学べたことは大きな糧となりました。また、同期の受講生の方々の多様な考え方や解決手法に触れたことで、様々な気づきを得ることができました」

授業のなかで最も印象に残ったのは、船井総合研究所地方創生支援部マネージャーで社会構想大学院大学の客員准教授も務める栃尾圭亮氏の講義だという。

「マーケティング領域からの話が、私自身の経験とも絡み合い、入っていきやすかったですね」

政策提言は和歌山県紀美野町を選択。フィールドワークを通じ、地域住民や自治体担当者との対話から課題の本質を探り、データに基づいた改善策を検討する経験を得た。

「自治体視点、住民視点、色んな角度からの視点があることを、身をもって感じました。アドレスホッパーとしての経験で培った地域活性化への関心を、本課程での学びを通じて、より実践的な視点へと深めることができたと思っています」

政策提言では、NFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)のデジタル住民票を活用した関係人口の拡大などをテーマに、先行事例の山形県西川町の事例紹介や具体的な経済的効果など含め、町長をはじめ役場関係者に提案を行った。

自身の強みを生かして
地域活性化をキャリアの軸に

「塩尻Lab」のフィールドワークにて。

今後のキャリアとして自身の強みを生かして地域活性化に貢献できる仕事にも携わっていきたいと藤田氏は話す。既に専門分野であるWebマーケティング、Web広告を活かして、地域活性化に携わっている企業等のプロモーションを担当しているという。

また、総務省の「地域活性化起業人制度」を使った活動も視野に入れている。同制度では、都市部に所在する企業と地方自治体が、協定書等に基づき、社員を地方自治体に一定期間派遣。派遣された社員は、即戦力人材として業務に従事し、地域課題に対し専門的なノウハウや知見を活かして地域活性化に取り組む。社員が副業として、退職したシニアも活用することも可能だ。

総務省では、受け入れを希望する自治体と制度活用を希望する企業・個人双方からのアプローチが可能な「地域活性化起業人マッチングプラットフォーム」も構築している。本課程修了後、藤田氏は同制度を活用していくつかの自治体に申込を行っているという。また、本課程修了後も長野県塩尻市を舞台にした実践型の地域共創プログラム「塩尻Lab」への参加など、将来のキャリアに向けた活動を続けている。  個人事業主としての活動も考えており「デジタルマーケティングを軸としながら、地域活性化に携わっていきたいですね」と話す。

「本課程を受講したことは『地域活性化に本気で取り組んでいきたい』という想いを地方自治体へ伝える重要なファクターになるかと思います。また、受講生同士や講師陣とのつながり、ネットワークを作れたことも、大きな収穫だったと思います」