「つなぎ役」を育てるヒントとは
八百万の神と、唯一の答えのなさ
三代豊国(歌川国貞)「出雲国大社八百万神達縁結給図 」
旧暦十月、全国の神々が出雲に集うと伝えられる。各地では神が留守になる「神無月」、出雲ではすべての神が在す「神在月」。集った八百万の神々は、人と人との「縁」を結ぶ相談をするのだという。三代豊国が描いたのは、その壮大な寄り合いの図である。 唯一絶対の神が答えを定めるのではなく、無数の神が集い、語らい、縁を結ぶ――本連載の取材でも、議論はここに触れた。複雑な課題に、必ずしも正解があるわけではない。立場の異なる多くの主体が集い、掛け合わさるなかでこそ、答えは立ち上がる。出雲の神々の寄り合いは、分野を越えて人と人を結ぶ「つなぎ役」の、いわば原風景なのかもしれない。
提供:アフロ
ここまで、「つなぎ役」とは何か、そしてなぜそれが重要なのかを述べてきた。だが、その育て方に、定まった答えはまだない。北村友人氏が手がかりとするのは、ある日本の物理学者の「知」のあり方。そして、「頭脳」の所在をめぐる半世紀の転換だ。
東京大学大学院教育学研究科教授の北村友人氏と、東京都市大学大学院環境情報学研究科教授の佐藤真久氏の対談は、今回が全3回の締めくくりとなる。
(※全文:5037文字 画像:あり)
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