山を舞台にプログラミング教育、人と林業との接点をつくる

愛媛県の内子町でまちと山の間の「梺(ふもと)」に立ち、両者をつなぐ「梺業」を展開する武田林業。林業未経験で創業し、「森の入り口づくり」を通した山林活性化や、次世代向けの教育事業に注力する同社代表取締役の武田惇奨氏に、起業の経緯や教育への思い、今後のビジョンを聞いた。

広告業界から林業への転身
教育機会の選択肢を増やしたい

武田 惇奨

武田 惇奨

株式会社武田林業 代表取締役
愛媛県旧広田村で四面無節のヒノキ林業を営んでいた祖父の影響を受け、山と林業に関心を持つ。前職広告代理店の経験を活かし、都市と山のあいだ「梺」にたって、人々と山林を結ぶ活動を行う。木育×プログラミング教育を推進するMOCKUPプログラミング教育はグッドデザイン賞2019を受賞。

武田林業の事業の柱は、林業関連事業の広報サポートなどの山林プロモーション事業、森林資源を活用した商品企画販売などの山林プロダクト事業、さらに未来の担い手を育成する教育事業だ。同社を創業した武田氏は愛媛県松山市出身。九州大学大学院を経て福岡の外資系広告代理店に就職し、営業職としてビジネス経験を積んだ。間もなく30歳を迎えるという節目に自分の使命は何かを考えた際、自身のルーツに近い事業をしたいと思い立ったのだという。

「私にとってそれは山でした」。武田氏はそう振り返る。祖父が愛媛県旧広田村で四面無節のヒノキ林業を営んでいたこともあり、子ども時代の武田氏にとって、山は格好の遊び場だったのだ。いい思い出を育んだ山や森に関わる事業を起こそうと2017年、…

(※全文:2857文字 画像:あり)

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