お茶の水女子大学、2027年度以降入学者の授業料を20%引き上げへ 学部・修士課程対象

お茶の水女子大学(東京都文京区、佐々木泰子学長)は2026年7月1日、2027年度以降に入学する学生を対象とした授業料改定案を公表した。学部(学士課程)と博士前期課程(修士課程)の授業料を現行の年額53万5800円から20%引き上げて64万2960円とする内容で、増額幅の10万7160円は、国立大学等の授業料その他の費用に関する省令が定める上限の20%にあたる。同大学は7月から9月にかけて学生や卒業生、保護者などステークホルダーの意見を集め、10月に学内の会議で審議したうえで最終決定する方針だ。

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改定案の対象となるのは、2027年4月以降に入学する学部生と、2028年4月以降に入学する博士前期課程の学生である。学部の3年次編入生については学年進行に合わせ、2029年4月以降の入学者から新しい授業料を適用する。一方、2026年度以前に学部へ入学した学生と、2027年度以前に博士前期課程へ入学した学生は、在籍している間は現行の授業料が据え置かれる。博士後期課程(博士課程)の授業料53万5800円と、入学料・検定料は改定の対象から外れた。

授業料見直しの背景には、2004年に国立大学法人となって以降の財政事情がある。同大学は運営費交付金の確保に加え、外部資金の獲得や自己収入の拡大、経費の見直しを重ねてきたが、近年の物価上昇や人件費の高騰、教育研究設備・ICT環境の急速な高度化により、限られた財源だけで教育環境を維持することが難しくなっているという。1875年の創設以来、女子教育の先駆けとして専門性と教養を備えた女性人材を育成してきた同大学は、AIやデジタル技術の進展に対応しながら女性リーダーを育成し続けるため、安定した財源の確保が不可欠だと説明している。改定による増収は、2030年度の完成年度時点で年間約2億7000万円を見込む。

経済的な事情で進学や修学を断念する学生が出ないよう、支援策の拡充も合わせて進める。国の「高等教育の修学支援新制度」による授業料減免の対象となった学生には、認定された支援区分に応じて減免額を上乗せする方針だ。大学独自の奨学金制度も拡充し、「みがかずば奨学金」は支給期間を学部2年間から4年間に延ばすか支給額を年10万円増やすかのいずれかとし、「小澤美奈子奨学金」も支給額を年10万円増やす。

改定に向けては、2026年6月に学内の会議で検討を始め、同月下旬に教職員と学生を対象にした説明会を開いたうえで、7月1日に検討状況を公表した。意見や要望は大学が設けた専用フォームで9月15日まで受け付けており、電話での問い合わせには応じない。寄せられた意見を踏まえ、10月に学内の会議で審議したうえで最終決定し、決定内容は大学ホームページなどを通じて公表する予定だ。