コロナ禍で問われる知のリテラシー 高等教育の側に必要な変化とは?
コロナ禍でより鮮明となった将来の不透明さ。その中で社会人に必要な学びとは何か、高等教育機関はそれをどのように提供すればいいのか。社会人の学習に詳しいリクルート進学総研の乾喜一郎氏と、社会情報大学院大学の川山竜二研究科長・教授がリカレント教育のあるべき姿について語った。
コロナ禍で広がる、学び直しの格差
乾 喜一郎
川山 竜二
川山:新型コロナウイルス感染症の拡大は、リカレント教育(学び直し)にどの様な影響を与えたのでしょうか。
乾:コロナ禍でオンライン学習が活発になったことで、地域や時間に捉われず、ますます学習しやすい環境になりました。
こうした状況の中、Web セミナーなどの学習機会の情報が日々自分の SNS 等のタイムラインに流れるタイプの人と、学習に関心がなく、あえて検索しなければそうした情報に触れないタイプの人との間で、学習機会の格差がすごく広がっているのではないかと考えます。
川山:マタイ効果※みたいな話ですね。これまで学習意欲があった人達は、より学習しやすくなるので、どんどん学びが進む。一方、学習意欲のなかった人達は、外にも出なくなったので、情報がより遮断される。
※マタイ効果とは、好条件の環境下にある科学者が優れた業績を示すことで、より好条件に恵まれるという現象のこと。同様の現象は他分野でも見られる。
外出すると、意図しない情報に触れる機会もありますが、仕事も自宅で、パソコンに一対一で向かっていると、自分で取捨選択した情報しか入ってきません。学び直しをしない人は、より学びをしなくなっている可能性もありますね…
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