ロボット/AIを正しく理解し早期から工学に触れる学びを

日本学術会議が「より良い近未来創造のためのロボット/AI の理解と人材育成」を公表した。同会議の機械工学委員会ロボット学分科会委員長である川村貞夫教授に、提言の背景や AI・ロボット分野における教育の在り方、ユーザーとなる我々に必要な心構えなどを聞いた。

AI とロボットの違いを、正しく理解してほしい

川村 貞夫

川村 貞夫

立命館大学教授、日本学術会議第3部機械工学委員会 ロボット学分科会委員長
1986年大阪大学大学院基礎工学研究科博士課程修了(工学博士)、同年同大学助手、1987年立命館大学理工学部機械工学科助教授・教授を経て、1996年ロボティクス学科教授。2018年チトセロボティクス副社長。専門テーマは、ロボットと人間の運動知能。日本ロボット学会、日本機械学会、計測自動制御学会、日本学術会議(連携会員)、日本工学アカデミー等の会員。

日本学術会議が2020年7月に公表した提言書「より良い近未来創造のためのロボット/AI の理解と人材育成」は、ロボット・AI を正しく利用する社会を築くために、ユーザーである我々がロボット/AI の技術の本質部分や技術の限界/弱点を学ぶ必要性を求めている。また、研究開発者の人材育成では、分野横断的な教育をはじめ、初等中等教育から高等教育までの一貫した教育カリキュラムの必要性などを示している。

提言書の作成に携わった立命館大学の川村貞夫教授は、「AI は『計算機』に代表されるソフトウェアであり、一方のロボットはセンサ、コンピュータ、アクチュエータなどの要素を統合した運動の機能を伴うシステムを指すのですが、両者は混同して使われがちです。理解が曖昧ゆえに、過度に期待されたかと思えば…

(※全文:2571文字 画像:あり)

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