「キコリ養成講座」が盛況 小規模・分散型の林業で地域の山を守る

山の手入れを学ぶ一般市民向けの「キコリ講座」が人気だ。初めてチェーンソーに触れる人でも、4日間で木材伐採作業の基礎が身につくという。講座を運営する青森バイオマスエネルギー推進協議会理事長の高橋博志氏に、講座開催に至った経緯やこれまでの手応え、今後の展望を聞いた。

林業の大ベテランが講師、
キコリを目指す講座が盛況

高橋 博志

高橋 博志

株式会社高橋HD 代表取締役
NPO法人青森バイオマスエネルギー推進協議会 理事長
生まれつき聴覚障がいを持ち、音声による会話を苦手とするが、読唇術と積極的な性格を駆使してコミュニケーションをしながら、「環境事業は次の世代への恩送り事業である」ということを意識して取り組んでいる。青森大学SDGs研究センター客員研究員。

日本の国土のおよそ3分の2を占める森林のうち、半分は杉やヒノキなどの人工林だ。バイオマス発電や「ウッドショック」と呼ばれる木材価格高騰の影響で多少活気が出てきたように見えるが、山林の多くは今、人手不足や後継者難、資金不足などにより、資源として生かされることなく放置されている。青森県も決して例外ではなく、県内のあちこちで、手入れの行き届かない杉林が立ち並んでいる。林業会社や森林組合など、一部では山林整備に取り組んでいるが、全く追いついていないのが現状だ。

そうした課題解決の一助になればと2013年から始まったのが、NPO法人青森バイオマスエネルギー推進協議会による一般市民向けの「キコリ講座」だ。週末を2回使い、計4日間で開催されるこの講座は、チェーンソーの使い方を学ぶ座学に始まり、…

(※全文:2367文字 画像:あり)

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