キャリア自律が高いと学習意欲は1.3倍に パーソル総研が調査

パーソル総合研究所は9月7日、従業員のキャリア自律に関する定量調査の結果を公表した。キャリア自律が本人や組織にもたらすメリットや、キャリア自律を促す要因を定量化し、経営・人事に資する提言を行うことを目的に実施したもの。

同調査結果では、キャリア自律の度合いの強弱を数値化した「キャリア自律度」という概念を用いている。キャリア自律度は以下の心理面・行動面の各設問について、5件法の回答を基に得点化(あてはまる=5点~あてはまらない=1点)し、平均値を算出したもの。

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キャリア自律度が高い層は低い層に比べて、「個人パフォーマンス(自己評価)」で1.20倍、仕事への貢献意欲である「ワーク・エンゲイジメント」で1.27倍、「学習意欲」で1.28倍高く、キャリア自律の向上は組織にメリットをもたらしている。キャリア自律度が高い方が仕事の充実感や人生満足度も高く、働く本人にとってもメリットがあることがうかがえる。

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キャリア自律がもたらすメリット

調査の結果、キャリア自律によって組織や働く本人に対する様々なプラスの影響が明らかになった。同時に、主観的な市場価値が高い人材の場合、キャリア自律度が高いと転職意向も高くなる傾向もみられた。パーソル総合研究所は、キャリア自律度も市場価値も高い人材に対しては、その会社の中で、「やりたい仕事」ができる見込みを向上させることによって、転職リスクが軽減されると分析している。 

同調査は、2021年4月26日から5月6日の期間、全国の20~59歳の男女で正規雇用の就業者11,000人を対象にインターネット上で実施された。