教職調整額を引き上げたところで教師のなり手は増えないと考える現役教員が9割以上

教師のキャリア支援を手掛ける株式会社クジラボは11月26日、現役教員を対象に実施した、教職調整額の引き上げに関するアンケートの結果を発表した。

教師のなり手の確保に向けて、現在の4%から13%への引き上げを求める文部科学省と、残業時間を減らすことを条件とした段階的な10%までの引き上げを求める財務省の間で、議論が戦わされている教職調整額。それについて当事者である現役教員はどのように考えているのか調べた。

調査は11月、全国の小学校、中学校、高校、特別支援学校の教員を対象に実施。259名から回答を得た。

教職調整額の引き上げは教師に喜ばれ、教師のなり手を増やすことになると思うか尋ねたところ、「喜ばれ、増えると思う」はわずか4.2%。「喜ばれるが、増えるとは思わない」が62.5%、「喜ばれるとも増えるとも思わない」が33.2%だった(画像参照)。

教員調整額を引き上げたところで教師のなり手は増えないとの回答が9割を超えた。

回答者のうち、教師を辞めたいと思ったことがある人(n=238)に、その理由について尋ねたところ(複数回答可)、「長時間労働や休日出勤などの業務量の負担」(68.9%)と「教育以外の業務割合の多さ」(59.2%)がトップ2となった。一方、「給与や待遇面」は35.3%で6位だった。

また回答者のうち、10年後も教師を続けていたいとは思わない人(n=137)に、何があれば教師を続けていたいと思うか尋ねたところ、「給与や待遇の改善」(14.6%)に35ポイントもの大差をつけて「教育に直接的に関わらない業務の軽減・削減」(49.6%)がトップとなった。

これらの結果から、教師のなり手確保のために必要なのは、教職調整額の引き上げよりも働き方の改善ではないかとしている。

調査結果の詳細は以下から見ることができる。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000121017.html

クジラボ プレスリリースより