あわてない、急がない、押し込まない 子どもの視点に立った対策を

2020年5月22日、日本教育学会は「9月入学・始業制」に関する提言書を公表した。同提言書では、子ども達のケアの必要性も指摘している。同提言書のメンバーで、子どものケアに目を向ける日本女子大学の清水睦美教授に、「今、本当に必要な取り組み」について語っていただいた。

ストレスの根源を考える

清水 睦美

清水 睦美

日本女子大学教授
東京大学大学院教育学研究科博士課程修了、博士(教育学)。専門は、学校臨床学、教育社会学、移民の子どもに関する研究に取り組む。2020年2月には、東日本大震災の被災学校を中心とする8年に及ぶフィールドワークをまとめた『震災と学校のエスノグラフィー』(勁草書房)を共著で刊行している。

学校再開にあたり、長期間の休校や外出自粛による子どものストレスを考える場合、その根源となっている原因を見つめる必要があります。第一に今回の休校は2月27日に安倍首相の唐突な臨時休校要請によって、突然行なわれたものだという事実があります。つまり「なぜ休校しなければならないのか」、学校や教師、大人たちによって意味づけがなされないまま、休校となったわけです。

子どもたちは、学校という場で生活のほとんどを過ごしています。自分たちのいる場所が、突然、自分たちに何の選択権もないまま奪われる…

(※全文:2782文字 画像:あり)

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