『わかりやすさ』偏重が招く、ウィズコロナの教育格差

長引く休校による教育格差や学びの保障が懸念される中、5月に公開された9月入学導入の社会的影響に関する報告書の研究メンバーでもある一般社団法人 Glocal Academy 代表理事の岡本氏は、教育施策における現状把握と効果検証の重要性を改めて指摘する。

岡本 尚也

岡本 尚也

一般社団法人 Glocal Academy 代表理事
慶應義塾大学理工学部卒、同理工学研究科修了後、ケンブリッジ大学にて物理学博士号を取得。その後、オックスフォード大学にて現代日本学修士号を取得。ケンブリッジ大学在学中の研究成果が Nature Materials 等、世界トップジャーナルに論文が掲載された。社会や学術における諸課題に対し研究的手法を用いて解決する事を目的とし、後進の育成やそれら課題に取り組む個人及び企業・団体を支援している。

英・オックスフォード大学時代の恩師である苅谷剛彦教授が呼びかけ人となり、5月に公表された「9月入学導入に対する教育・保育における社会的影響に関する報告書」は、長引く休校でにわかに注目が集まった「9月入学」の導入による様々な影響を推計し、賛否とは関係ない冷静な議論を導くためのエビデンスを示した。

同報告書の研究メンバーの一人である岡本尚也氏は、Glocal Academy の代表として論理的思考力や批判的思考力を身に付ける教材や実践の場、普段見えづらい教育格差への気づきなどを子どもたちに提供する傍ら、自らも経営コンサルタントとして企業経営者へエビデンスベースの意思決定を後押ししている…

(※全文:2581文字 画像:あり)

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