戦後74年の『当たり前』を見直す 南砺市の教育改革「チーム担任制」

今年4月から、全小中学校で「チーム担任制」を開始した富山県南砺市。旧来の「1学級1担任制」を改革し、教員の負担を減らしつつ、各教員の個性を活かした授業を可能にするチーム担任制。市の教育改革を進める南砺市教育委員会の松本謙一教育長に、制度導入の背景やねらいを聞いた。

負担を減らし、質を上げる

松本 謙一

松本 謙一

南砺市教育委員会 教育長
旧城端町(現・南砺市)出身。小学校で16年間、中学校で4年間教壇に立ち、富山県教育委員会指導主事、富山大学人間発達科学部教授、金沢大学大学院教職実践研究科教授等を経て、2019年4月から現職。富山大学教授時代に3年間、附属幼稚園長も併任。幼児教育から大学教育まで幅広い指導経験をもつ。富山大学名誉教授、日本生活科・総合的学習教育学会副会長。

2004年に4町4村が合併して誕生した富山県南砺市。合掌造り集落で知られる五箇山等観光資源が豊富で、内閣府の SDGs 未来都市にも選定されている。同市の教育委員会は、少子化や教員の若年化などの教育課題に対応するため、「チーム担任制」の導入や義務教育学校への移行等、教育改革を進めている。

教育委員会が主導し、今年4月から市内の全小中学校で導入しているチーム担任制。例えば、富山県では、小学校第1学年で在籍36人以上になると2クラスとなる。その2クラスを運用上1クラスとみなし、ベテランと若手の2人の先生がチームで担任となる。「ベテランの先生と組むことで…

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