ウィズコロナで必要な3つの環境整備 公教育のバージョンアップに向けて

日本教育学会は、5月22日、「9月入学よりも、いま本当に必要な取り組みを」と題した提言を発表した。同提言の委員を務めた京都大学の石井英真准教授から、ウィズコロナ時代に子ども達の学びをどう保障すべきか聞いた。

ウィズコロナ時代は、ハイブリット型の環境へ

──新型コロナウイルス感染症の拡大により長期間の休校が続きました。学校再開が始まっていますが、今後、学校にはどういった変化が求められるでしょうか。

石井 英真

石井 英真

京都大学准教授
1977年生まれ。専門は教育方法学。学校で保障すべき資質・能力の中身をモデル化し、それを育成するカリキュラム、授業、評価、教師教育のあり方をトータルにどうデザインすべきかを、理論的・実践的に研究している。主な著書として、『今求められる学力と学びとは』(日本標準)、『再増補版・現代アメリカにおける学力形成論の展開』(東信堂)、『授業づくりの深め方』(ミネルヴァ書房)など多数。

コロナ以前の学校教育は、様々な要望が現場に求められ、献身的努力で先生方は応えてきました。この3か月の休校により、学校現場にさらなる負担がかかっている最中、この献身的努力に対してリソースをしっかり確保し、公教育のバージョンアップを図る必要があります。

そこで、日本教育学会の提言でも触れていますが、(1)オンライン学習の環境整備、(2)教育内容の精選・構造化、(3)少人数学級等を目的に教職員を増やす、という大きく3つの環境整備が必要だと思います。

(1)については、学校が再開されても、今後、新型コロナウイルス感染症の第2波、第3波も予測され、数年にわたり、休校や分散登校が繰り返される可能性も視野に入れると…

(※全文:5447文字 画像:あり)

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