三菱電機と千葉工業大学が国産フィジカルAI開発で基本協定締結

三菱電機株式会社と学校法人千葉工業大学は、官民両用を想定した国産フィジカルAI技術の研究開発に関する基本協定を締結した。この協定に基づき、両者は共創センターを設立し、多脚歩行型、人型、ドローン型など多種多様な自律制御ロボットを活用した「AIロボティクスソリューション」の事業化を推進する方針である。

(左から) 三菱電機 執行役副社長 兼 CTO 加賀 邦彦氏、千葉工業大学 常任理事・未来ロボット技術研究センター所長 古田 貴之氏

近年の深刻な労働人口の減少や公共インフラの老朽化を受け、製造現場やインフラ保守・点検における自動化の重要性が高まっている。しかし、周囲の環境や状況に応じた細やかな動作が必要となる作業の自律化はこれまで困難とされてきた。現実世界の状況に即してリアルタイムに適切な制御を実現するフィジカルAIは、熟練者のように工具や機器を扱うロボットを実現するための重要な基盤技術として位置づけられている。

三菱電機は、インダストリー分野における多種多様な製造ナレッジや、水環境システム・電力システムなどのインフラ分野での保守・点検ナレッジ、さらに協働ロボット「MELFA ASSISTA®」の開発で培った高精度かつ安全なモーション制御技術やセンシング技術を保有している。一方、千葉工業大学は未来ロボット技術研究センターにおいて、外部環境に対して反射的かつ柔軟に対応する運動能力を実現する大規模物理モデル技術を保有し、被災地での調査救助用移動ロボットや原子力発電所向け移動ロボットなど、実環境下で高度な作業を実現するロボットの研究開発に取り組んできた実績がある。

今回の基本協定により、両者はそれぞれの技術と知見を結集し、国産フィジカルAI技術および周辺技術の開発を推進する。インフラ維持管理や製造業など、官需・民需双方におけるフィジカルAIの活用を通じて事業化を加速させ、将来的には災害時対応や物流など多方面へ技術を適用することで、安心・安全で快適な社会の実現に貢献することを目指している。協定期間は2029年4月までの3年間を予定している。