文科省、「GX実現に向けてアカデミアに求められる研究開発の方向性について」(議論の中間まとめ)発表
文部科学省は10月25日、「GX実現に向けてアカデミアに求められる研究開発の方向性について」(議論の中間まとめ)を発表した。
期限付きカーボンニュートラル目標を表明する国・地域が、GDPベースで世界全体の約94%(2023年5月現在)に達するなど、重要性がいや増すグリーントランスフォーメーション(GX)。中間まとめは、そのGXを実現するためにアカデミアに求められる事柄について整理している。環境エネルギー科学技術委員会内の「革新的GX技術開発小委員会」(主査:杉山正和・東京大学先端科学技術センター所長)が取りまとめた。
中間まとめは、アカデミアに求められるのは「社会ミッションからのバックキャスティング」、「革新的な技術の創出」、「出口を見据えた戦略的なマネジメント」の大きく3つであるとしている。
具体的には、「社会ミッションからのバックキャスティング」については、GXは社会・経済システムそのものの変革を伴うため、社会科学、人文学を含めた領域横断的で巨視的な議論を行うこと、また研究開発だけでなく、技術が持つ社会的な価値の評価やシナリオ形成・分析、行動変容や社会変革促進を担うことのできる人材を育てることが必要であるとしている。
「革新的な技術の創出」については、基盤となる学問体系の発展や人材育成を従来通り進めるとともに、人々のニーズに通じた産業界と密にコミュニケーション・連携を取ることで、社会の要求を意識しつつ研究を進めることが必要であるとしている。
「出口を見据えた戦略的なマネジメント」については、社会実装を念頭に置き、代替技術や競合技術の動向も注視しつつ、時に軌道修正も図りながらスピード感をもって研究開発を進めることが重要であるとしている。
中間まとめは以下から読むことができる。
https://www.mext.go.jp/content/20241031-mxt_kankyou-000038563-1.pdf
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