社会人、大学院で1年学べば教員免許取得へ 文科省WGが新教育課程の中間まとめ公表

文部科学省の中央教育審議会(第13期)初等中等教育分科会教員養成部会に置かれた「大学院における社会人等の免許取得に資する新教育課程ワーキンググループ」(主査:貞広 斎子・千葉大学副学長)は2026年7月22日、教員免許を持たない社会人が大学院で学び直して教員免許を取得できる新制度の骨格を示した「大学院における社会人等の免許取得に資する新教育課程の在り方について(中間まとめ)」を公表した。

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同ワーキンググループは2025年12月22日の初会合から2026年4月30日の第5回会合まで、計5回にわたり審議を重ねてきた。中間まとめでは、既存の制度及び教職課程の見直しの方向性との整合性を踏まえ、一層多様な社会人人材を確保する観点から、現行制度を補完する仕組みとして検討を進めたとしている。

背景には教員採用選考の競争率低下がある。文部科学省が2025年12月25日に公表した令和7年度(令和6年度実施)公立学校教員採用選考試験の実施状況によると、全体の競争率は2.9倍で、1979年の調査開始以来最も低い水準となり、前年度の3.2倍から低下した。

中間まとめによると、新教育課程は基本的に1年間の課程とし、大学院に開設する。開設主体は教職大学院に限らず、教育学研究科など幅広い研究科が担うことができる。学生の身分は科目等履修生とし、勤務経験を持つ社会人を主な対象としながら、既に大学院に在籍する学生の履修も認める。

修了に必要な学修量は35単位程度とし、このうち教科等の指導法、教育及び児童生徒理解に関する科目については修了前の履修を必須とする。これらの科目は現場での実習的な学びを中心に据える。受講者の選考にあたっては、大学に加え、採用や免許授与を担う都道府県教育委員会などの任用権者も一体的に関わり、勤務経験を通じて培った専門性を評価したうえで、修了後(場合によっては課程の途中)の採用をあらかじめ決めておく仕組みとする。

新教育課程を修了して得られる免許状は「特別な免許状(仮)」と位置づけられ、勤務年数と組み合わせれば上位資格である専修免許状の取得にもつながる。制度設計としては二つの案が示された。一つは現行の特別免許状をベースに名称のみ新設するパターン(パターンA)で、専修免許状への上進は既存の省令規定に基づき、修得単位25単位と実務経験3年を組み合わせれば最短で入職後3年での取得が見込める。もう一つは、国による授与や全国的な通用性を備えた全く新しい免許状として設計するパターン(パターンB)で、上進に必要な単位数や実務経験年数は今後の検討課題として持ち越された。対象校種は中学校・高等学校を中心に想定しつつ、免許状の設計内容によっては小学校を含めることも可能とする。

新教育課程で修得した単位は修士課程などの単位としても認定できるようにし、免許取得と修士号取得を並行して目指せる仕組みも視野に入れる。加えて同課程は履修証明プログラムとしたうえで職業実践力育成プログラム(BP)に位置づけ、教育訓練給付金の対象とする方向も示された。

中間まとめではこのほか、既存の教職特別課程についても見直しの方向性を示した。対象校種を幼稚園や小学校にも広げることや、履修期間が1年を超える設計を認めてBPの対象とすることなどが挙げられている。また、小学校における専科指導をより行いやすくするため、普通免許状において小学校の専科免許を認める検討も盛り込まれた。

今後は、教職課程・免許・大学院課程ワーキンググループにおける議論の状況も踏まえ、整合性が取れるよう詳細な制度設計を進めるとしている。

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