「勉強がはかどる」ノートを開発 感性を科学する千葉大発ベンチャー
千葉大学工学部初のベンチャーとして創業した(株)BBSTONEデザイン心理学研究所。デザイン心理学という新しい学問領域を事業の核として、数々のプロダクト賞を受賞した「ほぼ日ノオト」など、幅広い領域の課題解決に挑む代表の日比野好恵氏に、事業にかける思いと今後のビジョンを聞いた。
視覚ストレスを軽減するノート
秘密は罫線のわずかな隙間
日比野 好惠
「ノートを変えたら子どもが勉強に集中できるようになった」。BB STONEデザイン心理学研究所の日比野氏のもとには、こうした喜びの声がしばしば届く。そのノートとは、同社とほぼ日手帳で知られる「ほぼ日」がタッグを組み、2021年11月から発売開始した「ほぼ日ノオト」だ。
セミB5判の「ほぼ日ノオト」は、一見すると一般的なノートと変わらないが、中を開くと特徴的な罫線が目に入る。7ミリ幅の横罫には一定間隔ごとにわずかな隙間があり、そこに点のようなごく短い縦線が入っている。そのおかげで、実際にはない縦線を認識でき、文頭を揃えたり、図を描いたりするにも使い勝手がいい。人間の「錯視」を応用した仕組みだ。「従来のノート罫線は、実は目がチカチカし、視覚ストレスが大きいことがわかりました。人によっては、うまくメモを取れない人もいるほどです」。日比野氏は、従来型ノートの意外な「弊害」を指摘する。隙間のある罫線が、ノートを開いた時の威圧感や、…
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