青学大とSCC、AI復習支援サービス「まなりぴ」を洗足学園小学校で検証
青山学院大学教育人間科学部教育学科の北澤武教授と、株式会社エスシーシー(本社所在地・東京都中野区、代表取締役社長・春日邦彦、以下SCC)は、生成AIとの対話を通じて授業の内容を振り返り、児童生徒が自分の言葉で説明する力を育てるサービス「まなりぴ」の試使用を、洗足学園小学校(所在地・神奈川県川崎市高津区、校長・田中友樹)で実施した。2026年7月25日に結果が公表された。まなりぴは、児童生徒が学習端末上でAIキャラクターと対話しながら授業を復習するサービスで、SCCが2025年10月31日にサービスの提供を開始している。
青山学院大学とSCCは、「学んだことを自分の言葉で説明して理解を深める」というまなりぴのコンセプトについて認識を共有し、2025年11月に洗足学園小学校で最初の実証実験を行った。今回の試使用は、この実証実験に続く2回目の取り組みに当たる。2026年6月に新たに搭載された機能「理解度チェック機能」を中心に使ってもらい、児童の学習効果への効果と、教員が日常業務のなかで無理なく使えるかという2つの観点から評価した。
小学校5年生75人が理科で利用
理解度チェック機能は、テストを受けた児童生徒の点数を一覧で確認できる機能だ。初回の点数と直近の点数を比較できるため、点数の推移から学習の定着度をつかみやすい。正答率だけでなく、児童生徒がどのように解答したかまで確認できる点も特徴となる。出題文はAIが自動で作成し、児童生徒は記述式で解答する仕組みだ。正解か不正解かで終わらせず、どこに誤りがあるかを可視化したうえで、AIが自動採点した結果を一覧で示す。
理解度チェック機能の画面。問題文はAIが自動で生成し、児童生徒は記述式で解答する。どこが間違っているかはAIが可視化する。(画像はクリックすると拡大します)
試使用は2026年6月15日から26日にかけて行われ、対象は洗足学園小学校5年生75人、教科は理科だった。児童は休み時間や家庭学習の時間を使って自由にまなりぴを利用し、期間終了後には教員と児童の双方にアンケートを実施したほか、教員へのインタビューも行った。
教員が評価した点
インタビューでは、実用性と持続可能性の両面から担当教員の評価が寄せられた。実用性の面では、正答率に加えて記述内容まで確認できるようになったことで、児童一人一人の理解度をつかみやすくなったという声が上がった。児童が自分の言葉で説明した内容をAIが採点し、理解が不足している箇所を可視化することで、児童自身がつまずきに気づくきっかけとなり、記述力や表現力の向上にもつながる可能性があるという。持続可能性の面では、授業動画を取り込んでから理解度チェック機能で問題を作成するまでの作業に教員の手間がほとんどかからず、スムーズに進められた点が評価された。
児童の8割超が好意的
児童からは、チャット形式であれば気恥ずかしさを感じずに復習に取り組めるといった声や、相手がAIだからこそ質問しやすいといった感想が寄せられ、心理的なハードルの低さを歓迎する意見が目立った。「まなりぴは理科の勉強に役立つか」という問いには、児童の83%が肯定的に回答しており、気軽に復習や質問ができる環境が学習内容の定着を後押しする一因になっていると考えられる。
青山学院大学とSCCは、今回の試使用を通じて、教員による児童の理解度把握を支援する効果と、児童の心理的なハードルを下げる効果の両方を確認できたとしている。自分の言葉で説明する経験は理解を深めるだけでなく、自己理解力、いわゆるメタ認知力や学習意欲、自信の向上にもつながるとみており、教員にとっても児童を見取る力を強化し、個別最適な指導を実現する助けになると期待している。両者は今後も共同研究を継続し、こうした効果の検証を重ねていく方針だ。