主体的なキャリア形成とは? 「問いを設定する力」が重要に

リクルートキャリアで就職支援の仕事に携わった後、宮崎公立大学の教員へと転身した市村陽亮氏。現在、個人のキャリア形成について研究する市村氏は、学生に向けてだけでなく、広く地域の人たちを対象に、「問いを設定する力」を育むプログラムをつくりたいと語る。

外的要因がキャリア形成に影響、
「主体性」のあり方を問い直す

──市村先生は現在、どのような研究に力を注がれているのですか。

市村 陽亮

市村 陽亮

宮崎公立大学 人文学部国際文化学科 助教
リクルートキャリアにおいて、年間500名以上の就職支援を行う。2017年3月に博士号(経営学)を取得。現在はキャリア形成をめぐる個人と組織の関係を研究。宮崎・学生ビジネスプランコンテストの審査員を務めるなど、学外での活動も多数。

個人のキャリア形成における主体性のあり方について研究しています。従来のキャリア論では、キャリアは誰かに「形成される」のではなく、自ら「形成する」もの、自ら選び決めるものとされていますが、現実のキャリア形成は様々な外的要因の影響を受けます。

本人が考えてもいなかった人事異動や勤務地の変更、予期せぬ自然災害や家庭環境の変化などに直面して、自身のキャリアを見つめ直す人もいるでしょう。いろいろな外的要因の下で、自分が思い描いていたキャリアとは異なる道を歩んでいたとしても、「主体的」と言えるキャリア形成があるのではないか、また、そこにおける主体性とはどういったものか。そうした問題意識から私の研究はスタートしています。

一例として、出身地は自分ではコントロールできませんが、同じ宮崎で生まれ育った場合でも…

(※全文:2256文字 画像:あり)

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