教育論の新常識─格差・学力・政策・未来

『教育論の新常識─格差・学力・政策・未来』

『教育論の新常識
─格差・学力・政策・未来』

松岡 亮二 編著/368頁/960円+税/
中央公論新社

GIGAスクール、子どもの貧困、ジェンダー、九月入学など、いま注目の20のキーワードを軸に、22人の一流執筆陣が、「常識」を覆す教育論を展開する。個人の経験や個別のエピソードで語られがちな教育という事象に対して、研究知見やデータによって実態を的確に把握した上で、強く改善を志向する議論にとなっている。

本書は、副題にある格差・学力・政策・未来のテーマごとの全4部構成。そのうち、第1部は編者自身による格差の論考で始まる。「教育格差」とは、本人が変えることのできない初期条件、つまり「生まれ」によって学力や学歴などの教育成果に格差が出ることだ。多くの人が身近に感じる「学歴格差」とは明確に異なる点に留意したい。編者によれば、戦後日本社会には常に「教育格差」があり、「学歴格差」は「生まれ」の違いがもたらす一側面に過ぎない。例えば、父親が大卒か否かという単純な「生まれ」の区分だけでも、子どもの学歴には大きな格差がある。また、近ごろ話題の「子どもの貧困」も「教育格差」の一部だ。

(※全文:1940文字 画像:あり)

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